『おじいちゃん百景』(4月3日)
「原稿を書く前に1時間散歩。おじいちゃんに注目して歩いてみようと思った。
注目してみると結構いるぞおじいちゃん。桜の写真を撮っているおじいちゃん。
やけにお洒落なおじいちゃん。でかい犬に引っ張られているおじいちゃん。
私もいつかおじいちゃんになる。何十年後、私は青年に見られたりしているのか。
そんなことを考えながら歩いているとラブホテルから外人と出てきたおじいちゃんがいた。まだあるのか、と思った。なんだか参った」

『メンソールライト』(4月4日)
「仕事が終わり帰ろうと思ったらメンソールライトに会った。
メンソールライトというのは後輩の芸名で、土田さんが適当に付けた芸名である。
本名を内藤という。渋谷まで一緒だったのでいろいろ話した。
話すのはいいのだけれど内藤、とにかく声がでかい。
『吉川さん、エンタいつ出たんでしたっけ?』、『ダーリンハニーさんレッドカーペットは?』、
ものすごい混雑の銀座線。みんなが我々を見る。『ダーリンハニーとしてきっかけを掴んだのはいつですか?』。
インタビュアーみたいな質問をガンガンしてくる。熱い男だ。熱い男はいいけれど、はっきり言って声が大きすぎる。
きっかけを掴んだ?全然わからない。車内でする会話にしては質問が難しすぎだ。ここは別の話をしようと思って
『内藤は最近どう?』と聞いたら『ストリップ行ってます!』とでかい声で返してきた。
彼は超大物なのかもしれない。それかバカだ」

『ケンカ』(4月5日)
「『ふざけないでよ!』という声が聞こえて振り返ったら男女が大ゲンカしていた。
推定40歳くらいの女の人が45歳くらいの男をビンタしていた。
ドラマみたいだな、と思って見ていたら男も女におもいっきり肩パンチをしていた。
男が女に暴力で応酬したらダメだ。ガンガン肩を殴っている男。ビンタする女。
『話が違うじゃない!』、『うるせぇな!』。
その後ろでは抽選会が行われていて、カランカランという鐘の音とともに『おめでとうございまーす!』という
声が鳴り響いている。誰もケンカは止めない。おめでとーございます。アンタバカじゃない?うるせぇな!!
これが東京。中年男女の殴り合いは醜い。けどおもしろい」

『時間を決定する』(4月6日)
「しばらくノートパソコンで更新ができなかった。
『時間を決定できません』という哲学みたいなメッセージが出てきてサイトに接続できない。
意味不明なので放っておいたけれどさすがに不便なのでPCに詳しい友に電話をした。
いろいろ対処法を教えてもらって実践をして、結局パッシブモードにしたら更新できるようになった。
ありがたい。これで時間を決定できたわけだ。1から10まで訳がわからなかったけど、まぁ更新出来ればいいです」

『極上のコント』(4月7日)
「東京ダイナマイトのハチミツ二郎さんと立ち飲み屋で飲んでいたら、隣のおじさんがその隣のおじさんに
話しかけていた。なんだか見事に話がかみ合っていないなと思っていたら、奥のおじさんは外人さんだった。
アジア系の方でパッと見日本人に見える。それに気づいていないおじさん。思いっきり日本語で話しかけている。
100%話がずれている。『お父さん、隣の方は外人さんですよ』と二郎さんが教えたら、『え!?外人の方?』と
びっくりしていた。おじさん二人の極上のコント。『お父さん、定額給付金は何に使うんですか?』と聞いたら、
おじさんは『警報器』と答えていた。立ち飲み屋のおじさんはすごい」

『ウンウンおじさん』(4月9日)
「志村けんさんのコントで一番好きなのが、おじさんが食べ物を食べて『ウンウン。おいしーよ。いいよなー』と
始終独り言をいっているアレだ。アレとしかいえない。変なおじさんの延長線上のようなおじさん。昨日中華屋で
ラーメンをすすっていたら、あのおじさんがいた。スープをすすりウンウン。麺を食べてウンウン。
そして『おいしーよ』。本物だ!と思って嬉しかったけど、コントのキャラの本物ってなんか変です」

『有吉さん』(4月10日)
「昨日は有吉さんとスギさんと作家の青木さんと朝まで飲んだ。有吉さんは6時間くらいずっと嘘をついていた。
全く根拠がなく誰も得しない嘘を陽が昇るまで。有吉さんはイリュージョンだ」

『エレカシ』(4月11日)
「今日はエレファントカシマシの武道館ライブに行ってきます」

『桜の花舞い上がる武道館』(4月12日)
「エレファントカシマシの武道館ライブに行く。
聴き入り、涙腺をやられ、また聴き入った。たまに一緒に歌ったけれど、
エレカシの曲は思いの外キーが高く、ほとんどが裏声になってしまった。
武道館から出るとき、行きよりもカバンが軽く感じた。
行きよりカバンが軽く感じるライブはきっといいライブだと思います」

『タオル』(4月13日)
「半乾きのタオルで顔を拭いた瞬間、この世の終わりの匂いがします」

『朝まで飲むということ』(4月14日)
「昨日は太田プロライブ。終わって朝まで打ち上げ。すぎさんにご馳走になる。『朝まで飲むこと』は
きっと70歳くらいでは無理だろうから、31歳の私は出来るだけ朝まで飲む。起きると体のどこかが鈍痛。
いったいどこが痛いのかわからず。ぽわーっと昨日語り合ったことを思い出そうとしたが思い出せず。
よくわからないけれど腹筋をして全部ごまかしました」

『で』(4月15日)
「疲れたり面倒くさかったりすると『で』が抜けるという検証結果が、吉川ことば研究所から発表された。
え?そうなんですか?=よし。え?そうなんすか?=疲れ。ですます調が、すます調になったときは疲れを取ろう。
でが億劫な時は主に睡眠不足が考えられる。濁音が調子よく出ない時は目上の人との飲み会は避けるべきである。
逆に面接の前などは濁点をたくさん発声するとよい。バンバンバンとかデデデデデを腹の底から太鼓をたたくように
連発するのである。デーンと構えてドーンといこう。で?」

『ごみ』(4月17日)
「『ごみ箱を空にする』というボタンを押す時、一旦躊躇する。本当に大丈夫か?と思う。なくなっていいのか?と。
何かをごみ箱に入れている状態は安心する。保留。保留は楽だ。なくならないけど捨てた気でいる。世の中はきっと
半端がほとんど。でも一番いいのはごみを生まないことなんでしょうね。無理ですけどね」

『プールのあと』(4月18日)
「なんてことないラーメンが食べたいけれど、ほとんどのラーメンがなんてことなくない。工夫してある。
焦がしねぎ、背油、とんこつ醤油。普通のラーメンが食べたい。そんな話を火災報知器の小林くんとしていたら
としまえんのプールのあとのラーメンが目茶苦茶シンプルで美味しいと言っていた。ラーメンは絶対としまえん!と
断言していたが、それはきっとプールのあとだから美味しいのではないか。プールのあとなんてきっと何を食べても
美味しい。そう考えると日頃からプールのあとの状態にもっていければ食はもっと楽しいはずだ。でもプールって
行くのが面倒なんだよなぁ。水に入るまでの億劫ったらない。つまるところ一番の敵は億劫。おっくう。
億劫に対するは工夫。工夫すればプールの前でも美味しい。そう考えると工夫って最高です」

『電気シェーバー』(4月20日)
「大型電気店でひげそりのコーナーをじーっと見ていたら45歳くらいの女性販売員の人が話しかけてきた。
『シェーバーをお探しですか?』、『あ、少しだけ探してます。でもあんまり生えないので安いのでいいです』、
『なるほど。であればこちらがお勧めですよ。軽いですしお手頃ですし』、
『これですか』、『えぇ。よく剃れますよ。
主人もこれと同じのを使っているんですけど、私もたまに拝借して剃ってるんです』、
『え?』、 『よく剃れますよ』。
ちょっと気まずくなって『またきます』と言って、私はその場をゆっくり去った」

『告知』(4月21日)
「上記の通り4月28日に本が出ます。よろしくお願いします。あと単独ライブを企画・製作してくれた
デジタルビイム住さんのPodcast『ラジオすみましん』にお邪魔しました。
So-netバクストで『ディスカバー東京』という新しいコラムを始めました。
アニマックス』で記事書いています。4月29日にはエレカシのアルバムも出ます」

『ハマスタ』(4月24日)
「ベイスターズVSカープを観戦。カープに移籍した石井琢朗選手に大声援。
ベイスターズ時代の応援歌を歌ってくれるカープファンの心意気。
打ってくれ!と思っているベイスターズファンのねじれたMっ気。誰が誰を応援して誰がどの
チームでという関係性がよくわからなくなった。野球とは結局自分を応援しているような気さえしてきました。
弱い横浜。弱いわたし。がんばれ横浜。がんばれわたし。そんなんじゃだめだ!」

『ライブ』(4月25日)
「ラ・ママ新人コント大会。久々のライブ。お客さん熱し。明日は浅草。舞台は体のどこかが燃えます」

『浅草』(4月26日)
「浅草でライブ。雨。渋谷から銀座線で浅草まで行く。終点から終点。いつも急行を考えてみるけれど
銀座線は止める駅が難しい。渋谷・表参道・赤坂見附・新橋・銀座・神田・上野・浅草かなぁと思うけれど、
溜池山王・虎ノ門・日本橋を止めないのはどうなんだ。京橋・青山一丁目あたりもなぁ。…なんてことを考えている
うちに浅草。結局どれも主要駅。でもせめて10両にしたい。それか複々線。二子玉川延伸。現実味はまったく
なくても、鉄道夢想は究極のひまつぶしです」

『本日』(4月28日)
「『ダーリンハニー吉川の全国縦断鉄博巡り』が出ます。本屋さんで見かけたら覗いてみてください。
あと関係ないですが取り越し苦労はまったくの無駄だと思います」

『ラジオライブライブ』(4月29日)
「FM-FUJIのラジオ出演。あのスタジオへ行くと青春がひっくり返ったようによみがえる。今日・明日とライブ。
30日は新宿ネイキッドロフトでトークライブがありますのでお暇でしたらお越しください。あと関係ないですが
私は私のなれの果てだと思いました。結局誰にもなれないので好きにやりゃいいんです」

2009