○月×日
六甲おろしに颯爽としていたら、部屋の中だけに虹が掛かった。「これってアメリカンドリームじゃん…」と呟いた途端、部屋が暗くなり、美空ひばりがみかん箱の上に乗って歌っているシルエットが壁に映り、「これってジュラシックパークじゃん…」と呟いた途端、ドアがドーンと開き高田純次が裸に大砲を持っていたので、「これってルネッサンスじゃん…」と呟いた途端、車が壁をぶち破り、西部警察のメンバー全員が立っていたので、「これってカイザー・ソゼじゃん…」と呟いた途端、どん!と部屋の電気が消えた。どうやらいろいろあったのでブレーカーが落ちたらしい。
 
「これって」と呟いた途端、エジソンが登場しブレーカーを直してくれた。ハッピーエンド。みんなで乾杯。だが話が全然盛り上がらず、みんなそそくさと帰宅。「これって」と呟いてみたが、何も起こらず。他人まかせを猛省。
挿絵22
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茄子
○月×日
髪がキャサリン・ゼタ・ジョーンズばりに長くなってしまったので散髪をしに中野の1000円カットの店へ。入ったらクリーミー・マミが「いらっしゃいませー」とこびた感じでやってきたので、腹立ちまぎれポケットに入っていたポートボールのルールブックを投げつけると、やはりマミがアイドルに変身。すべて予定調和の展開だったので「1万円払うから違うのに変身しろ!」と強要するとマミは一瞬考え、シラク大統領に変身しやがった。空気読みの天才。ちょうど謝りたいことがあったので、その旨を伝えると恵比須顔になり「俺だけここに残る!」と言い地球への隕石接近を防いでくれたのだった。すばらしい度胸。それを称えて今度彼を21世紀枠で甲子園出場をさせてやろうと署名運動を新橋で展開していると、急に藤波にバックを取られそのままドラゴンスープレックス。3カウント。
 
ついでか知らないがライガーにもライガーボムを決められ6カウント。あろうことか木村健吾にも稲妻レッグラリアートを決められ9カウント。完敗。史上初9カウント取られたプロレスラーということでギネスブックに申請され表彰される。嬉しいような、嬉しくないような。筋肉注射をされたような。
挿絵21
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茄子

○月×日
朝、納豆の上にご飯を盛ってみる。いまいち。はなまるマーケットを見ながらBGMに映画「欲望」のサントラを掛けてみる。いまいち。石神井公園をランニングをしながら田山花袋の「蒲団」を読んでみる。いまいち。帰宅しマネートレーディングをしながら女を抱いてみる。いまいち。どうもいまいち続きなので、思い切って紅白出場を決断した。当日になると気が滅入ったが、決めたものは仕方がない。出番になったが歌詞を一切覚えていなかったので関口宏のモノマネを五分間していたら、突然「司会は〜関口宏!!」とコールされ、本人登場。やられた。セットが「クイズ100人に聞きました」に転換され、私はパネラー席に。関口宏が「お坊さん100人に聞きました。答えは6つ。『この人は煩悩のかたまりだ』という人は誰!!」と問題を出し、「ダフト・パンク!」と答えたら0人だった。アーア残念、と下を向いているとパネラー席の台を突き破って大島渚登場。
 
「バカヤロー!」とマイクで殴ってきたがすっと交わし、アイスラッガーで反撃。大島渚が避けたので、関口宏脳天直撃。やばい!やっちまった!と焦っていると、関口宏が頭を抑えて「いててて、またやられた。今度こそは捕まえてやるぞルパーン!」とどこかへ行ってしまい一安心。とっつぁんも大変だ。
挿絵20
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茄子
○月×日
なんだか急に「死んだように眠りたい」という衝動に駆られ、疲れることをすることに。まずはゼネコンの談合。疲れた。そして大河ドラマの脚本執筆。疲れた。人間国宝とコーヒーカップ。疲れた。金粉を体中に塗りトライアスロン。疲れた。ジミヘンとデート。疲れた。ラーメンを食べながらX線検査。疲れた。張り込み。疲れた。女性専用車両で一人将棋。疲れた。スラム街でバナナの叩き売り。元気が出てきた。大塩平八郎と乱。大復活してきた。正直者と嘘の言い合い。ばーんとなってきた。砲丸投げをしている人投げ、釣りをしている人釣り、引退を決めた横綱のまげを断髪している親方の髪を断髪、攻めては守り、欲望に身をゆだねた。
 
体重は激減し限界を迎え、頭は真っ白に漂白された。「やった!これで眠れる」と天に拳を突き出していると突然聖母マリアが現れ、私の胸でお眠りなさいと言ってくれるかと思いきや、「ゲットゴール・フクダ!」と叫びどこかへ行ってしまった。あーあ、今日もただの夜更かしさんかい。
挿絵19
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茄子
○月×日
国会で集中質問を浴びる。Q「なぜ人は死ぬのですか?」A「日焼け止めクリームを塗りすぎたから」Q「好きな女の子のタイプは?」A「テニスのガットみたいな人」Q「海が青いのはなぜ?」A「しーらない」など適当に答えていたら、突然江夏にデッドボールを当てられる。もう大乱闘。白いモクモクした煙が上がり、ポコポコと殴る音が聞こえる。なぜかマッカーサーがまぎれて浅岡ルリ子といちゃいちゃしていたが、みんな目もくれず殴り合い。蹴り合い。お見合い。結婚。新郎のご友人、ステロザウルスがスピーチしていたが、老体の為ろれつが回らず。最終的には売れないビジュアル系バンドのドラム(宅配寿司でバイト)がスピーチをしたが『神の国発言』が飛び出したため、全員退散。
 
あの時あの中の誰かが「だめだこりゃ」を言えばすべての戦争はこの世から無くなったが、全員決定力不足のため言えず。深刻な問題。高尚な善意が必ずしも悪意の根絶には繋がらないことを痛感させられる。ひとり野球場に戻り月を見ていると、一気に照明がたかれ、150人ものエキストラが登場し「がんば!がんば!」と私を胴上げしてくれた。感動しすぎて泣きまくっていたら、わき腹を骨折。仕方がない。現状維持でサインだ。
挿絵18
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茄子
○月×日
国民年金の支払いへ。ニュースでこれから老人が増えてきて困っていると言っていたので5000万払おうとしたら「多すぎます」と言うので「まぁ取っておけよ」と言ったが「いりません」と返したきたので怒りが沸点に達し超人ハルクに変身してしまう。「まずい、ここは役場だ!」と変身時間は4分で済んだが、おかげで建物を壊してしまった。修理代2800万円とのこと。5000万持ってきておいて正解。そのことをメールでロナウドに伝えようと文字を打っていたら煩わしくなったので直接電話。「またかよ」と彼が言うので「会いたい」と言ったら「オレいま鍋食ってうどんで締めるとこなのよ、またね」と一方的に切られてしまった。
 
まぁ人生で一番楽しい瞬間だから仕方がない。今日は一日鬱屈。ばかみたいなので遺跡を掘りに。5万年前のリップクリームが出てきたが、また1面に載りそうなのでポイ。暇なので月刊誌を作ることに。以前から対談のみの雑誌を作りたいと思っていたのだ。タイトルも「ザ・対談」でいく。初回はデーブ大久保とサリンジャーの対談で行くことに決定。これは売れるぞ。夜、連合赤軍の人たちが家に来たが居留守。もう面倒くさいっつうの。
挿絵17
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茄子
○月×日
お遍路さんをヘリコプターで廻った後、千代田区でポイ捨ての見回り。その後蒲田駅で一日駅長をやりながら、「どうすれば幸せになれるかの集い」に電話出演。「糞して寝ろ」とだけ言っておいた。一日駅長があまりに好評だったため「毎日やってくれませんか」と言われたので「肩書きだけでいいなら」と引き受ける。また肩書きが増えてしまった。あれだけ増やすなと幹事長から釘を刺されていたのに。あまりに仕事が増えるので7台ほど複製ロボットを作ってもらったが、すべてチーマーに壊されてしまったため体が持たない。夜、雨が降ってきたので、雨天友達の家へ。彼は雨のときにしか会ってくれない。ベリーズ工房の話で盛り上がっていると突然彼が斉木しげるに見えてきたので帰る。よくあることだ。帰宅すると私の部屋にぼんやり明かりがついていて、遠くに母が機織りをしているところが見えたので別の家に帰宅。すると母が豆の木に登ろうとしていたので別の家に帰ると母が桃を割る最中だったので帰る家がなくなり仕方なくその勢いでトークライブ。
 
渋谷公会堂は広すぎた。終了後楽屋で、生きていた人たちが死に、死んでいた人たちが生き返るという「逆転チャンス」の噂が流れたがデマだった。ふぅと一息ついたら口から本当に「ふぅ」という文字が出て来てびっくりした。朝、海千山千な犬を発見。無視。
挿絵16
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茄子
○月×日
深夜営業の図書館へ。ここは東京で唯一朝の5時まで開いている図書館だ。スープカレーをすすりながら尖閣諸島の地図を眺めていると、一枚の紙切れがはさまっていた。そこには「人間に大差なし!しかし小差あり。そこのあらそい」と書かれていた。これは今日の日記に使えるぞと思い早速メモ。ネタ切れに困っていたので大収穫。5年は持つ。ウッシッシとこぶしを握り口元で震わせていると「ハーイ!」と自分のひざ下をチョップし、かっけの反応を確かめながら歩いてくる女が。あの動き、






ぐぐぐ、グラマー天狗だ!






「お、お前入院してるんじゃなかったのか?」と聞くと「図書館だから静かにせよ」と彼女は言い、摩訶な話を懇々と閉館まで話すのだった。
 
「不老不死の薬、飲んじゃった」と言うので、「はいはい」と適当に流していると「本当よ、山手通りが工事中でしょ?あれ実は今だけ未来トンネルになってるの。んで8500年先までワープできて行ってきたわけ。すげぇの。8500年先。余裕で不老不死なの。でもみんな死なねぇから人口増えちゃって大変だっつって、SEX禁止。禁欲世界だよ。どっちもどっちだね」と言うので、「病気は治ったの?」と聞くと「治ってない」。要領を得ないので、閉館後、近くのステーキハウスに入り話の続きを聞いている最中、急に藤波にバックを取られそのままドラゴンスープレックス。2.9カウント。頭をしたたかに打った私は朦朧としていたが得意技ブーメランバックドライバー‘85で蹴りをつける。席を見るともうグラマー天狗はいなくなっていた。書置きも残さず。マイナス3ポイント。ということでグラマー天狗は失格となり、人生ゲームの盤上から姿を消した。もったいない、せっかく大金持ちだったのに。
挿絵15
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茄子
○月×日
とうとう貯金が底を尽き、女房に「釜のふたが開かないじゃないか」と怒られたので、弘法大師に金を借りに行く。「またかよー」と言うので、「5億でいいから5億で!」とおでこを大理石に付け懇願すると、「いいバイト紹介してやるよ」とバイトをあっせんしてくれた。「わりーね、わりーね」と小松の親分をやれば彼は何でも許してくれる。地図を見るとえらく遠そうな場所だったので、道路に泊まって客待ちをしていたスカンジナビア航空に「ここまで行ってくれる?」と頼み、目的地へ。行ってみたらなんのことはない、エンドールの町。ここは昔「田舎に泊まろう」のロケで来た事があり、はぐれメタルを倒し大金を手に入れたんだった。
 
「そういうことかい」とすべてを理解し、しぶしぶはぐれメタルを探していると、突然お母さんにファミコンの電源を切られ「はやく勉強なさい!」と怒られる。早稲田に行きたいなんて言わなきゃよかった。
挿絵14
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茄子
○月×日
体調が優れず、病院へ猛ダッシュ。医者に「ダッシュしすぎ」と怒られる。病状余計悪化。「体調わりー」「治せばか」とヤクルトのメガホンで医者に叫んでいると「俺はバーミヤンのファンだ!」と怒られる。バーミヤン・チャーハンズのファンなんてはじめて見た。「うるせー」「たこ野郎」と悪態をついていると即入院。よく見たら独房だった。一貫して無罪を主張したが裁判所が肉のハナマサとの合併に忙しく無視される。さみしい。怒りもこみ上げない。しかし礼儀として独房に穴を掘り、トンネルを作り、脱出。
 
すべて手作業だったので出るまで3年を要したが、地上に出たときは日の光まぶしくうれしかった。「俺の生活を返せ!」と叫んだがここはチェコ。あーあ、これだからあのときもっと頑張っておけばよかった。
挿絵13
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茄子
○月×日
プエルトリコ人の彼女とデート。しかし私のジャケットに長い髪が付着しており、彼女が激怒。憤怒。恫喝。あまりの怒りに地面が揺れ、雷雲が立ち込め、雨が雪に変わり一気に氷河期へと突入。「あぁまたみんなに迷惑掛けちゃうなぁ」と私もさすがに心配になり、彼女に弁明。「違う!これは髪じゃない。よく見てみろ!ギターの弦だ!」と言ったらあっさりと許してくれた。空は晴れ渡り、虹が浮かび、川はせせらぎ、海は穏やか。よかった。すると突然彼女の背中に羽が生え、ふわふわと空へと飛んでいってしまった。
 
「マタネー!」と彼女は笑い、「おい、いつもの展開か!」と私が拡声器で叫ぶと彼女は「マタニティ!」と言い残し雲のかなたに消えていった。まさに仏滅。あなどってはいけない。
挿絵12
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茄子
○月×日
母さんが夜なべしてKISSのTシャツを作ってくれたので、それを着て出社。うちの会社は9時出社なのだが、もちろん9時にくる人などいなく、だいたい13時ごろぽつぽつと現われる。全員減俸だが、意に介していない様子。そのことをどう思っているのか同僚に聞いてまわったことがあったが、みな声を揃えて「時は金なり!」と言うので別に心配していない。今日の朝礼はゲストがヒトラーだったそうだが、例のごとく誰も来ず。家田荘子のときはみんな来たくせに。現金な人たちだ。今日はまじめに12時出社。たまたま会社の前で歌っていたベン・フォールズを誘い昼食。14時帰宅。友達である元・阪神の佐野から電話があり、「ファーストクラスでカップラーメン食ってたら面白くない?」と言われ、そんなに乗り気じゃなかったが行くことに。空港に着くと、いきなりカシミアのマフラーにイタリアンシャツを着たサングラスの男が近づいてきて「娘はもらった」というので、緊迫。
 
「娘などいないが」と言うと、男は「そうでしたか」と言い、どこかへ言ってしまった。すかさず警察に通報するも、あやとりが大流行しているらしく取り合ってくれなかった。結局3時間待ったが佐野は空港に来ず。すると電話があり、「もう乗ってカップラーメン食ってるよー、超面白いよ」と言うので、「空港にいるよ」と言うと、「空港から飛行機に乗るなんて野暮な奴だな」と言われ、ジェネレーションギャップに打ち負かされる。こんなに悔しい思いをしたのは92年モナコ・グランプリ以来だ。いや、あれは93年だったか。詳細はHPにて。 
挿絵11
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茄子
○月×日
麹町の歯医者へ行く。医者の腕は最悪で、この前も親知らずを抜くと言われていたが、最終的に頭をモヒカンにされ散々な目にあった。しかし歯科助手が絶世の美女クレオパトラなので、それだけを見に通っている。地下二階にある歯医者のドアを開けると、ちょうどポーツマス条約の締結中だったらしく、ルーズベルトが人差し指を口元に持っていき「シーッ!」と得意げにやりやがるので、「ざけんなよ!」と蹴りを一発キッズウォー。アメリカ軍が「ロッドマンを呼ぶぞ」と脅してきたので、面倒はごめんだと竜馬に電話し手打ちをしてもらう。最終的には全員で握手。抱擁。シャンパンファイト。
 
この模様をレンブラントが描き、あの有名な「みんな、なかよくね」という名画になり、贋作が世界中に出回るのだから、人生なにがあるかわからない。そういえば今日は夜の7時に大停電になったが、空を見上げたら星がきれいで、意外と楽しかった。東京も捨てたもんじゃない。明日の天声人語にはそのことを書こうと思う。 
挿絵10
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茄子
○月×日
早起きていきなりハプニング。「♪ワインの分だけ あなたを知るだけ〜」。この曲が誰の曲だったかどうしても思い出せない。苦しい。苦しすぎて思わず嘔吐。最近物忘れが激しすぎる。なので会社に電話を入れずる休み。平社員になんで休むの?と問われ「それはプライベートのことでしょ」と言ったら電話を切られた。いざ休みとなると、非常に暇。暇なのでパソコンをばらし、一から組み立てる。終わると今度は本をおしまいから逆から読んでみた。いきなりクライマックスを迎え満足。読み終えてもまだ暇だったのでキリマンジャロに登頂。下山に8日掛かる。「準備不足だ」と村人が襲い掛かってきたのでハエ叩きで一蹴。その足で登戸のパチンコ屋へ。「CR村上龍」を打つ。「トパーズリーチ」から、「限りなく透明に近い」モードに突入。こうなれば楽勝。山田詠美のカットインからコインロッカーが映り、最後は龍龍龍で確変をGET。なのに単発で終わる。
 
「ありえない!」と天を仰ぐも、機械相手に騒いでも虚しいだけなので下を向いて帰宅。帰路、電柱に頭をぶつけていたらしく激しい出血。ナースマンを呼び、事なきを得る。まだ暇だったのでオペラを観劇しようと外に出るも、電車の放送で流れた占いの結果が最悪だったのでホテル住まいを決意。結局、朝思い出せなかった歌は自分が作った曲だった。 
挿絵9
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茄子
○月×日
早朝から、ラジオ「たいがいにSAY」の収録。3本撮り。ゲストは1回目:ラルフ・シューマッハ、2回目:清掃作業員、3回目:徳川家重。3回目では家重が失禁するというハプニングがあったが、面白い放送になった。おつかれーと帰ろうとすると、なぜか4回目のゲストも呼んでしまったらしく、仕方なくやることに。超面倒。まったくやる気がなかったので、脱臼しながら話していたらすぐに降板させられてしまった。18年間続いていただけに残念。ちなみに4回目のゲストだったサナダ虫が次回からパーソナリティに決定。虫の放送。さすが敏腕ディレクター。帰宅し、KO勝ちしたときのためにガッツポーズの練習。
 
うまくいかないので自由を求め自由が丘に単車で向かうも、駅前のアビバでパソコンを習うハメに。収穫はバックスペースを使えるようになったこと。3回ほど人生そのものがバックスペースしてしまい焦ったが、光ファイバーに乗って帰ってくることができた。安堵。安堵しすぎたか、ポトフをこぼす。それもこれもすべてあの内田百けんのせいだ!9位に終わる。
挿絵8
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茄子
○月×日
今日はいつにも増して忙しい。朝7時、世田谷学園柔道部の指導。8時参議院の朝食勉強会。9時〜11時代官山オープンカフェでバイト。12時例のアイドルのDVD撮影。13時靖国を極秘参拝。14時から18時まで記憶になし。19時草むしり、20時ヤンキース・スタインブレナー会長と殴り合い、21時バイタリティのある人とトランポリン、22時松尾芭蕉とジャズセッション、23時逮捕、24時ゴマキとフラダンス、25時セーフティバントの特訓、26時手作りベーグル作り、27時〜28時世田谷学園柔道部の指導、29時越境、30時気になっていた足の裏のほくろを整形外科で除去、31時金色のライオンと縄張り争い、
 
32時〜35時新米の収穫、36時感染源の特定、37時弁慶と仲直り、38時翻訳、39時平野レミと縄跳びダイエット、40時初体験、41時〜45時便乗謝罪会見、46時シダックス監督就任、47時たちくらみ、48時サプリメント会社の家宅捜索、49時釈放、50時就寝。長い1日だったが、不思議と爽快な心持ち。「アゲアゲ」とはこういう状態のことを言うのだろうか。
挿絵7
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茄子
○月×日
ZEPPツアー初日。いよいよ待ちに待ったツアーだ。前回はことごとく開演時間に起床してしまい中止が多かったので、今回はちゃんとやりたい。ただ練習を1回もしていないのでメンバーも不安そう。せめてコードだけは合わせようと入り時間の2時間前に入る。しかし琴ギターの輪廻さんが脱退を表明。つられてプリントアウト役の高田(こうだ)も脱退。以下脱退メンバーは次のとおり。チュンリー担当:差し歯抜け太郎、ハイハット担当:岡田真澄、エアーダスター担当:落ちなし男、修正液担当:ブライアン・ナリタ、そしてなんと配給の松竹も手を引いてしまった。残されたメンバーもモチベーションが下がっていたが、私の後光フラッシュでなんとか持ち直す。リハが押して23時開演。
 
唯一のヒット曲、『ヒット曲』は何とか演奏できたが、その他は散々の出来。あまりにひどいので子供のころ学芸会でやった『真夜中のサンタクロース』を急遽上演してみることに。セリフ覚えがきつかったが、これが大盛り上がり。なんとか見れるものにはなった。翌日の23時終演。ちょっと疲れた。アンケートには「50代向けのステージはもうやめてほしい」との批判が多かった。反省。
挿絵6
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茄子
○月×日
雑誌「因果応報」の取材。自宅公開をする。冷蔵庫チェックはさすがに勘弁してくれと断る。あんなものを冷やしているだなんて自分でも恥ずかしい。終了後、取材班と「同時レム睡眠大会」に講じた後、その足で近くのゴルフ場でアメフト。一人がウォークマンをしながらプレイをしていたために、興ざめ。空気を読んで欲しい。取材班と別れ、大道具のバイトのため静岡へ移動。セットを組んだはいいものの、タレントが誰も来ずやむなく帰京。バイト代が出るのかそれだけが心配。夜、与謝野晶子から電話があり、恋の相談に乗る。
 
例のジェフ・ベックのコンサートの話をしたかったが、何度ほじくっても返しが弱いので諦める。30分ほど話していると、突然誰かに鈍器のようなもので頭を殴られる。警察を呼んだが、「ちゃつぼ」が流行っているらしく来てくれなかった。深夜、ペリー来航。火縄銃で追い返す。ざまあみろ。
挿絵5
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茄子
○月×日
早起きし、山中湖でブラックバスを釣る。体長3メートルほどの稚魚が釣れた。魚拓を取ろうと墨を塗りつけていると、携帯に大学から電話。1限の講義をすっかり忘れていた。やむなく今日も休講にしてもらうが、生徒が一人も登録していないので安心。「6−4−3のダブルプレー学」は人気がないらしい。いや、教授としての魅力が足りないのかも知れない。そこは反省せねば。中央線で帰宅し、仮眠のつもりが本眠。また自家栽培の野菜に水をやるのを忘れる。
 
起きて日暮里で神様と待ち合わせだったが、顔を忘れてしまい会えず。後日メールで謝罪。「一生会ってやらない」と言われ落ち込む。
挿絵4
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茄子
○月×日
昼帰ると、マス・マジックスが届いていた。通販の申し込みをしたときはウキウキだったが、もう興味がなくなっていたのでお隣さんにあげることに。すると秘書のような人が出てきて「豚の餌にしますわ」と言うのでいつもの水平チョップからのかわず落とし。相当ダメージが大きいらしく、すぐに3カウント。客のブーイングが聞こえる。だから武道館はやりづらい。部屋に戻り、M&A。今日は3社ほど買収。即刻売り飛ばし、3億円の損。父親に叱られるが、昨日の夢の話をしたらご機嫌。いつものように『BELOVED』を歌いだしたので、突然舞台の脇から銀色のテープがばーんと飛び出す。母親が目をこすりながら起きてきて、父親に改めてプロポーズ。「了解」と父親。二人の抱擁を見届けて友人の結婚式へ。
 
行ってみたら葬式だった。スピーチを半年掛けて練習していただけに、残念。しかしこの無念の思いが3年後の北京オリンピックでバネとなりあの金メダルに繋がるわけだから、文句は言えない。帰宅し、ペンギンに餌。ベッドの中に入ろうとすると、バッドマンがガラスを割って侵入してきたので通報。後日告訴。逆転敗訴。やはり裁判は費用の無駄だと痛感。
挿絵3
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茄子
○月×日
アリコの「入れます終身保険」の手続きで4時間ほど時間を食う。その後東京国際フォーラムホールCで行われた「変の集い」にゲスト参加。本能寺の明智、桜田門外の井伊、禁門の毛利など豪華メンバー。なぜか中大兄皇子がいたので、一同「お前は改新だろ」とつっこむ。豪華メンバーのわりに客足が鈍く、なぜだろうと考えていたらホールAから小田和正の美声が。一同納得。遅れて満州事変のメンバーが到着するも、井伊が酔っ払ってもう収集がつかなくなっていた。最後は全員で「チェンジ・ザ・ワールド」を歌い、閉幕。そのまま新橋のジンギスカン屋で打ち上げ。
 
応天門の変の藤原が一人淋しく飲んでいたので、愚痴を聞く。すると調子に乗っていつものように俳句を読み始めたので、そそくさと退散。家に帰るのが面倒。仕方なくドンキホーテ環七店で一泊。
挿絵2
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茄子
○月×日
スターバックスでナポレオンと待ち合わせ。久々に見たナポは髪が異様に伸びていて貧乏臭くなっていた。店内に入り、フランス革命についてしばし議論を交わし、私のいつもの切腹ギャグで彼はもんどり打って笑っていた。あまりに客がこちらを見るので、「笑いすぎ笑いすぎ」と北京語で言うとやつはとたんに静かになり、突然「お前もカトリックか!」と店内中に響き渡る大声で叫び、チャーター機でブラジルに帰っていった。どこで機嫌を損ねたのか判明せず。これだからやつは難しい。キャラメルマキアートを飲みながら、円周率の世界記録に挑戦している最中、馬の「パカパカ」という闊歩の音が聞こえてきたのでなんだと思い振り向くと「うそだよーん」とナポレオン。やられた。馬が立ち上がり、その瞬間、「私の辞書は、三省堂和英辞典!」と辞書ギャグ。悶絶。楽しいやつだ。だからあいつとの縁は切れない。「今日はお前の家に泊まろうと思う」と言うので、「イギリス軍がいるけど大丈夫?」と言ったら再び爆笑していた。家に電話をしたら「今日は帰ってくるなと」いうので、川越街道沿いのラブホテルへ。
 
男二人で泊まるのはさすがに気まずかったので、夏目漱石の本に出てくる友人Kを呼ぶことに。Kが「この人誰ですか?」と聞いてくるので、「阿佐田哲也」と言ったらナポちゃん再び大爆笑。「俺そんなに麻雀強くねぇよ」と腹を押さえながら弱弱しい声で。「ポンってフランス語でなんて言うの?」と聞いたら、「ポンはポンだよ」とナポ。ちょうどKがヤクルトで整腸剤を飲む瞬間だったらしく、思わず噴出。ベッドがべとべと。仕方ないので外に繋いでおいた馬上で眠る。起きて時計を見たらちょうど第8レースの10分前だったので急いで馬に乗り中山競馬場へ。着いた瞬間ゲートが開き、そのまま見事逃げ切り勝ち。ゴール板でガッツポーズをやりすぎ、少し斜行してしまったので調教師たちに怒られる。賞金はとある団体にそっと寄付したが、後日断りの手紙が届く。
挿絵1
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