吉川→ドラゴン 第四信(往)毎日の食事について
 

 やぁ、ドラゴン、元気でやっていますか?
 ぼくは元気にやっています。

窓から見える曇り空 そういえば5月は曇りが多かったね。今も外を見てみると(早朝なんだけど)見事に曇っています。「くもり」とひらがなで書くのがぴったりなくらいの曇り空。5月っていえば輝くように青い初夏のイメージが強いけど、こうも曇ってるとなんだか腹立たしいね。明日の朝に食べようと思って冷やしておいたケーキが、朝になったら冷蔵庫から消えていたような腹立たしさです。密かに楽しみにしていたものが強奪されたような喪失的憤怒。
 ドラゴンが調べてくれた気象庁のデータ。「5月は快晴が1日しかなかった」という事実。びっくりだね。びっくりを漢字にして「吃驚」と書いておきます。観測史上最低の5月…。すごい響きだね。でもドラゴンがデータベースを調べて教えてくれなかったら、全然気付かなかったかもしれない。ぼんやりと「なんか天気わりーな」とは思っていたけど、そこまでひどいとは思っていなかったから。なんか熱を測って、熱があって、余計に具合が悪くなるみたいな感じだね。このまま梅雨に突入していくと思うと、ちょっと損した気分です。

 それにしても「ドラゴンと雨の話」、おもしろかった。わかる。
 雨の日は休み。わかる。傘を差してまで何かすることないじゃないか。わかる。
「ひとつの理想としては、雨の日はなるべく外に出たくないとぼくは思っている」というドラゴンの文章、わかる。「ひとつの理想の世界」っていいよね。一度でいいから「ひとつの理想の世界」を誰になんと言われようとまっとうしてみたい、というひとつの理想を持っています。寝たいときに眠り、食べたいものを食べ、読みたい本を読み、歌いたいときに歌い、そして雨の日はお休み。なんかカメハメハ大王みたいだけど。

 雨の日は休み−。うーん(しばし理想の世界に浸る)

 そういえば最近野球でさ、セリーグの試合が3試合とも雨のため中止になった日があったの。横浜、甲子園、広島。なんか久々だなと思ったよ。たまにはいいなと思った。全試合雨天中止。最近はドーム球場のせいであんまり休まないでしょ。選手も雨天中止ってけっこう好きだろうね。ちょっとうれしいんだろうね。調子のいい選手とかはやりたいだろうけど、やっぱり急にもらった休みはうれしいよね。「ま、雨だし、休めってことか」みたいな感覚があるんだろうね。雨ってちょっとした「神様の意志」みたいなものを感じるもの。
 その天気の神様がもたらす「仕方のなさ」みたいなものが、年々減ってきている気もします。休止せざるを得ないあの強制力に、屋根をつけたり防水加工したりして、「雨だけど、やるんだ社会」になってきているんだろうね。
 そこに抵抗して、理想を「なるべく」追いたいと願うドラゴン。乾杯。ぼくはまだそこまでいけません。雨だからライブに出ない!とかね。絶対に出来ない。
 談志師匠なんかは気分が乗らないと高座に上がらないらしいけどね。お客さんは談志師匠が出てくると、とりあえずほっとするみたい。「あ、今日はきたな」って。すごいねぇ。理想の世界で生きてる。ちなみに談志師匠は雨が好きだと言っていました。風情があって落ち着くのだそうです。
 ぼくも家の中にいるときの雨は大好き。「窓の外では大雨」なんていうシチュエーションはなぜか血が騒ぎます。
 すべての問題は、「雨なのに外に出なきゃいけない」という「状況」なんだよね。それが仕事であったりコンサートであったりデートであったり。でも中身は違えど、雨によって多少テンションが下がるのは確か。誰だって濡れたくないもの。こうなったら世界全体を屋根で覆うか。日本ドーム。うううう、息苦しい…。

 さてさて話は変わって、食の話。
 ぼくがどんな食生活をしているのか。

朝ご飯 むかしダチョウ倶楽部のジモンさんにネタ見せをしてもらったときに、食べ物の話になって「芸人は人と同じものを食べていちゃだめだ。それじゃあ人と同じ発想しか生まれない。他人とは違うものを食べろ!いっぱい食べて筋肉をもりもりつけろ!」と真顔で言われたことがあったけど、あんまり人と違うものは食べてません。やっぱりライブだとか稽古だとかバイトだとかで外にいることが多いから基本的に外食が多いです。
 でもドラゴンの「1日1食」とは違い(ドラゴンって仙人みたいだなぁ)、ちゃんと3食食べています。朝(といっても昼)はほとんどパン。withマーガリン。あとトマトまるごと1個。んでヨーグルト。寝グセ満開で宙を見つめて食べます。

バイトでの夜ご飯 んで、バイトや稽古場で夜ご飯。ほとんどがコンビニとかそうざい屋で買ってきた弁当。疲れているときはwith栄養ドリンク。でも弁当はいい加減飽きてきたね。だからたまにテイクアウトできる中華屋さんで中華を買ったりとかして新鮮味を出そうとしています。でもぼくは薄味の家で育ったので、外食はやっぱり味が濃い。舌がしびれる。胃が重くなる。あの味の濃さはなんとかならぬものかといつも思います。

パスタ読書 そして家に帰ってきてもう1食。夜中にそそくさと作ります。パスタが多いです。たまにひき肉を炒めたりしてミートソースを作ったりもします。パスタが茹で上がるまでの間は本を読みます。あの時間がわりと好き。あの7、8分という時間に適した本ってあるね。村上春樹も言ってたけど。ぼくは熱中しすぎて、ついつい茹ですぎちゃう。微妙な加減のアルデンテがなかなかできません。かるーい感じのエッセイかなんかを一遍読むのがちょうどいいね。「スパゲッティが茹で上がるまでに読む本」かなんかが売ってるといいなぁ。ひとつの話を読み終わると、ちょうどいい感じのアルデンテになってるの。まぁ読む速度が人それぞれ違うから難しいだろうけど。

 だいたいそんな3食です。まぁ芸人なのでたまにトカゲやムカデなども食べます。(ということにしておこう)

ぽん吉 最後に、前回はマルちゃんの写真を載せたので、今回はモモちゃんの写真を載せておきます。彼女はデブです。ぼくは「ぽん吉」と読んでいます。人が歩いていると往く手をさえぎる格好で、急に「ごろん」と倒れ、お腹を見せてきます。犬みたいな猫です。むかし家で飼っていた「ゲン」という犬もごろんと倒れお腹を見せてくる癖があったので、たぶんゲンの魂が乗り移っているのでしょう。

 それじゃあ、また!
 最後に。前回の便りに載っていた牛タン、すごくおいしそうだけど、なんでそもそも仙台って牛タンがおいしい土地なの?単純な疑問です。まぁ高級な牛がいっぱいいるんだろうけど、なんでタン限定なんだろう。なんで仙台はあんなにタンにゆかりがあるんだろうか。タンだけに、単に不思議だ。

ダーリンハニー 吉川正洋