ダーリンハニー吉川「鉄道は私のものではない」

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駅の看板や注意書き。広告、標識、制限速度。
鉄道に乗っているといろいろな看板が目に入ります。

中には「な、なんだこれは…」とちょっと説明に困る看板もあって、そんな時は必ずデジカメをそっと撮り出し静かにシャッターを押します。画像を見て「ん?やっぱりちょっと変だ」と確認し、誤操作で消さないよう保護し、そっとデジカメをしまいます。内心ニヤニヤ。

日本は広い。いろいろな町があり、いろいろな人がいる。
いろいろな駅名があり、そこに住む人たちがいる。

そんな多様性を確認するのに、看板や注意書きはかなり役に立ちます。
今回は日本各地で撮った看板・注意書き画像をみなさんにお楽しみいただくことにしましょう。まずはこちら!


次の物品等の車内への持込を禁止します



…よく見ると死体?


これは熊本県、南阿蘇鉄道で撮った写真です。前方ドアから入ると運転手の方がいて、一見何の変哲もないレールバスのような風景。しかし入った途端に目に入る注意書き。車内に持ち込んではいけませんよという項目の中に、『死体』とあります。そりゃあだめですよね。
しかし万全を期してということもありますので、こういう注意書きも必要かもしれません。

南阿蘇鉄道には『南阿蘇水の生まれる里白水高原』(みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげん)という日本一長い駅名があります。「もう文章ではない か」と思わずつぶやきたくなるほど長い駅名です。この長い駅名論争にはかなりの歴史があり、『南阿蘇水の生まれる里白水高原』は1992年の開業時、日本 一長い駅名として名を馳せましたが、その後一畑電車の『ルイス・C・ティファニー庭園美術館前』に一位を抜かされ、しかしルイス・C・ティファニー庭園美術館が閉館したため、『ルイス・C・ティファニー庭園美術館前』は駅名が『松江イングリッシュガーデン前』に改称され、『南阿蘇水の生まれる里白水高原』が再び一位に返り咲いた経緯があります。書いていてややこしいです。


長嶋さん、日本一ですぜ



ふーん


長嶋さんは特別鉄道が好きではないので興味を示していませんが、とにかく日本一というのはなんでもすごいです。この『南阿蘇水の生まれる里白水高原』は空 気が綺麗ないい駅です。のどかで駅舎はシックな佇まい。私がいつか鉄道会社を作ったときは、『吉川の夢は自分で劇場を作って公演をやり、やってないときは 誰かに貸して収入を得たいと思ってる駅』くらい長い駅名を一つ名づけたいと思っていますが、そんなエゴ丸出しの駅は誰も使ってくれなそうです。とにかくこ の駅名は当分抜かされないことでしょう。続いてはこちら。


次は停車?



どうですか?


こちらは京葉線・新木場駅。運転手に『次は停車?どうなの?』と質問形式で問いかける看板です。これは快速運転がある京葉線ならでは。次の駅に止まるか通過かをしっかり確認するためだと思われます。ホームの一番前でたまたま見つけましたが、なんともフレンドリーなので ひとりニコニコしながら撮りました。この?シリーズは他にも見られて


見づらいですが



両数?


なんていうのもあります。大崎駅です。『?』で確認を取るってなんかいいですね。制限速度や区域の指定など硬め看板が多い中、『次は停車?』『両数?』と 優しく運転手に話しかけてくる感じがとても好きです。『最近どう?』とか『彼女とうまくいってる?』なんていうのもあったら楽しいですが、運転に支障をき たしそうですね。次はこれ。


北海道の留辺蕊(るべしべ)駅にて



苦情の苦が、苫小牧の苫に


非常に細かいですがここが北海道というのが何とも味わいがあります。『苦』という字よりも苫小牧の『苫』の方をよく書いてるんだろうなぁと思わず夢想して しまいます。手書きが少なくなった時代に、こういった味のある注意書きはあまり見当たらないので非常に貴重といえます。『タン』『ツバ』『やめてくださ い』という表現にも切迫感があり、きっとこれを見たらタンツバをするいないことでしょう。これを撮ったのは留辺蘂(るべしべ)という北海道特有の難読駅 で、他にも『札弦』(さっつる)、『南弟子屈』(みなみてしかが)などに立ち寄りました。今度ぜひ『大楽毛』(おたのしけ)という駅に行って駅看板を撮り たいなと思っています。難読駅は全国各地に以外とあるものですが、私が好きなのは


石川県



倶利伽羅(くりから)です


石川県の『倶利伽羅』駅。なんだかガジャガジャしていて好きです。『くりから』とひらがなでは4文字とたいしたことないのに、漢字にするとものすごい画数。北陸本線に乗っている時に思わず撮りました。となりの駅、『石動』(いするぎ)もなかなか読めません。石動の隣は富山県にある福岡駅。福岡県に福岡という駅はなく、なぜか富山県に福岡という駅はあります。倶利伽羅、石動、福岡。北陸本線の黄金トリオと言っていいでしょう。最後はこちら。


ふざけていると



最悪の場合、死にます。


こちら青森県・弘南鉄道大鰐線・津軽大沢駅での1ショットです。この劇画タッチ。肩幅の広い駅員。すごい注意です。線路やホームでふざけるのはたいがい子 供。だいたい『あぶないよ!』とか『気をつけてね!』とやんわりと注意するものですが、ここでは『最悪の場合死にます』という激烈な表現で注意を促してい ます。これは恐ろしいです。しかしもちろん線路の周りではくれぐれもふざけてはいけません。特にローカル線の場合は線路の周辺に柵がなかったりであぶない ですからね。これくらいの方がもしかしたらいいのかもしれません。


ということでまた旅した時にいろいろたまたま撮ってまいります。
次回も大楽毛に!





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