「あさって浦賀に行きます。ダーリンハニー長嶋さんは新撰組で。火災報知器の小林さんは三浦海岸で。高松さんはダイエット企画。吉川さんは京急で」 電話口で非常にざっくりとした振り方をしてくる住さん。 そういえば以前バクストメンバーで飲んだときに「みんなが共通で企画をできる場所はないか」という話題になり、それぞれの意見を出し合ったところ結果「浦賀」ということになったような。新撰組はなんかわかる。三浦海岸も地理的にはおもしろそうだ。私も京急ならどんとこい。でも高松くんのダイエットはどうやるんだろうか?浦賀ならではのダイエット企画があるんだろうか…ペリーズ・ブート・キャンプとか黒船ダイ エットみたいなのがあるのかしら…と人の心配はさておき、私は京急。京急!京急! でも京急の素晴らしさはタモリ倶楽部や雑誌の取材などでいっぱい話したしなぁ。 ただあてもなく乗るのもいいけれど、なにかいい企画はないものだろうか。 そんなことを考えながら当日、品川駅に集合。 お!ブルースカイトレイン! 赤い電車と呼ばれる京急の中でも異彩を放つブルー・スカイ・トレイン。おー見れてラッキーラッキー。今日何かいいことがあるかもしれない。 なんてことを考えていると、頭の中の電球がぱっと点灯。 「!」 「ありがとうギャラリー号に乗りたい!」 「ありがとうギャラリー号」…今年110周年を迎える京急が記念に運行を開始した列車で、昭和20年~30年ごろ活躍していた500形の塗装を復刻ラッピング。色はスペインの国旗のような赤と黄色。京急の創立記念日である2月25日から運行開始している。 …という記事を雑誌で見たことがあります。走っている姿を写真で見ましたが、とてもインパクトのある色で、一回は乗ってみたいなと思っていました。 しかし広い広い京急線内。いまどこを走っているのかまったく見当つかず。 でもとにかく窓の外を見ながら、ありがとうギャラリー号を探すことにしましょう。 ということで三崎口まで行くという火災報知器小林くんとさっそく京急に乗り込みました。 快特・京急久里浜行きです。 望遠と赤いリュックの小林くん 2100形がやってきた 京急といえばドレミファインバーター。独特の発車音が品川に轟きます。 「この音いいねぇ」 「いいでしょー。ドレミファインバーターね。京急に乗ってるなっていう実感がわくよね」 「全部この音なの?」 「いや、全部じゃないよ。わりと少ないほう。乗れてラッキー」 「コバちゃんは何の取材に行くの?」 「三浦海岸はリアス式だから、それを見に行くのよ。地層とかもおもしろいから。ヨッシーは?」 「ありがとうギャラリー号を見つけたいのよ。赤と黄色の車両を見つけたら教えてね」 「赤と黄色!?すごいね」 「いつ何時走ってるかわからないから油断しないようにね」 「オッケー」 ふたりともカメラを持ち、地層やらギャラリー号やら言っているので変な二人みたいになっています。 凝視 多摩川の橋の上で1000形とすれ違う 横浜を通過 …いないなぁ。 どこかにいるはずなんだけれど。 目立つから一発でわかるはずなんだけど。 あっという間に上大岡。 わりとすぐ見つかると思ったけれど、案外いないもんだ。この調子だと戻るのも大変だし、もし一本後のだったりするといたちごっこになってしまう。 じっと見ていたのでおそらく見過ごしてもいないし。 見つからないと記事にもならないし。 …どこにいるんだ、ありがとうギャラリー号。 上大岡 真剣 横では地図を見ている人 快特は金沢文庫を出発。 いないなぁ。赤と黄色。赤と黄色。 ありがとうギャラリー号。ありがとうギャラリー号。 左右を見て、流れる景色を凝視。 お、車庫だ。赤い電車がたくさんお昼寝中だなぁ。 なんか圧巻だなぁ。 となんとなく車庫を眺めていると あ! いた! あ!いた! たしかにあれは赤と黄色のボディ!間違いなくありがとうギャラリー号だ! 車庫かぁ!! お昼寝中かぁ!! どうしよう 車庫でお昼寝。それもけっこう奥の方にいたぞ。 困った。というのも車庫にいるということは 1、いまは動いてない 2、奥にいたので、いつ動くかわからない 3、今日はお休みかもしれない 4、とりあえず待つしかない ということ。すれ違えば運行しているのがわかるので、自然と時刻表と照らし合わせればいつどこに行くというのがだいたいわかる。しかし車庫でお昼寝となる といかんせん予測がしづらい。おそらく昼間は走っている本数自体が少ないのでただのお休み中と思われるものの、いつ出てくるかはわからない。 「夜ご飯までには浦賀のホテルに帰ってきてくださいね。ちょっとした撮影をしますので」 と住さん言ってたなぁ。 次は横須賀中央。 どうなるかはわかりませんが、こりゃ戻って金沢文庫で張っているしかあるまい。 小林くんに別れを告げ、横須賀中央で下車。 横須賀中央 金沢文庫 戻りました。時刻は15時30分。微妙な時間。 とりあえず、ホームで待ち伏せ。時刻表などを見てみますが、何のヒントもありません。 …うーん。 待ってても仕方ない気がする。 夜ご飯の時間はだいたい18時過ぎだろうから、17時30分までにはどうにかして乗りたい。 そういえば、車庫に沿うように道路が走っていたな。 少しでも近くから撮っておけば、最悪乗れなくても記事はかけるかもしれない。それに方向幕を見られたら種別や行き先などから、いつ発車のありがとうギャラリー号かも割り出せるかもしれない。 ということで、一旦降りて金沢文庫の線路脇を歩いてみました。 しばらく歩くと車庫を見渡せる歩道橋を発見。 とりあえず上から見てみよう。 待っててもな 車庫を見渡せる歩道橋を発見 奥の方にいる! この歩道橋いいなぁ。 走っていく京急も見渡せるし、車庫で休んでいる車両も眺められる。 ぼけーっとしてしばらく赤い電車を見ていたい。 いや、今日の目的はありがとうギャラリー号に乗ることだ。 でもすんごい奥にいるなぁ。今日走るのか心配になってきた。 よし、もうちょっと近づいてみましょう。 見ちゃう だいぶ近づけた 動く気配なし だいぶ近づけたけれど、まだ遠いなぁ。 それに種別と行き先がいまいちよく見えない。 でも天気もいいし、しばらく待ってみるか。 こうやってとある平日の昼下がり、車庫を眺めながら過ごすというもの悪くないじゃないか。 しばらくぼけーっと。 事態は急変。 突然ドアが開いた! あ!これ動き出すぞ! ずいぶんと金沢文庫の駅から歩いてきちゃったから、下手したら追い抜かれるぞ。追い抜かれて出発されちゃったら待っていた意味がまったくないぞ。 小走り! 戻る またホームに戻りました。 遠くを見ると…あれ、まだ動いてない。 あのドアの開閉はなんだったんだ。 空気の入れ替えをしている感じだったから、そろそろ出る感じじゃなかったか。 でも動きはあった。 しばらくホームで待っていよう。 17:10 暮れなずんできた あれれ、動きがあってからだいぶ経つけれどまた止まってしまった。 もう今日は出ないのかしら。 携帯に電話。小林くんから。 「ギャラリー号見れた?」 「車庫の近くで見れたけどまだ動かないのよ」 「あらー」 「そっちはどうよ?」 「すごいリアス式だよ~」 「なにすごいリアス式って」 「ホテルで説明するわ」 「おう。もうちょっと待ってみるよ」 「オッケーあとでね」 と!! あ! ライトが点いた! 京急1000型の特徴でもある1灯ヘッドライトが点灯! これは出ますよ。 あ、動いた!きたきたきたきた! ついに入線 よかった ありがとうギャラリー号は突然に。 あっけなく来ました。 近くで見ると異様にかわいい。 赤に黄色が入るだけでこんなに印象が変わるとは。 昭和20年代にこんな派手な色の電車を走らせていたなんてグッと来る話です。 やはり京急は心意気のある鉄道会社だなぁ。 本当にいつも楽しませてくれます。満足満足大満足 ちなみにずっと気になっていた、「ありがとうギャラリー号」というネーミングは、「みんなのありがとう」をテーマに絵や写真が飾ってあり、車内がギャラリーになっているからでした。 電車の絵 京急に乗った際は「ありがとうギャラリー号」を要チェック! |
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