ダーリンハニー吉川「鉄道は私のものではない」

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なんて綺麗なんだと思いました。

丸の内線が四ツ谷で地上に出る瞬間、目に飛び込んできた満開の桜。その先の四谷三丁目にある太田プロに用事があったのですが、あまりに綺麗なので思わず降りてしまいました。持っていたデジカメでパシャリと撮影会。


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ホームの奥に桜

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満開

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真下を走る中央線と桜

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真下を走る総武線と桜


仕事に遅れるので渋々撮影終了。

しかし四ッ谷駅ったら何と素晴らしい桜ポイントなんでしょう。まず駅の構造が立体的でカッコいい。真下が中央・総武線の線路。総武線下りには明治時代に出来た由緒あるレンガのトンネル。地上に顔を出す丸の内線。そして駅に寄り添うようにして咲き乱れる桜。

うー、ここで一杯やりながら花見をしたい。駅で花見なんて最高でしょうね。
駅に電車に桜にと。言うことなしです。

後日、さっそく鉄道友達のナベさんに電話。

「花見が出来そうな駅にでも行きませんか?」
「いいですねぇ!」
「駅と桜が近いという条件で。一杯やりたくなっちゃう感じの」
「そうですねぇ。じゃあ、あそことかあそことか」
「あそことかあそことか」
「あんなところもいいですね」
「ではさっそく、あさってあたり行きましょう!」
「ぜひ!」

ということで、今回は東京近郊、桜が見える駅ツアーに行ってきました。



まずは定番の京王井の頭線、井の頭公園駅で待ち合わせ。
井の頭公園自体が桜の名所として有名ですが、駅自体にも添うように桜が咲いています。まさに花見駅ツアーのスタートにぴったりの駅。

「ちょっと天気が悪いのが残念ですけど、やっぱりきれいですね」
「ね!駅に桜の木が生えているっていいなぁ」


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井の頭公園駅

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屋根を割るように咲く桜

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外に出てみました


お花見期間中は下りのみ、急行も停車。
お花見受け入れ体勢万全の駅といえます。
もちろん駅での花見客のためではなく、公園で花見をする人を運ぶためですが。

また井の頭線が「レインボーカラー」と呼ばれるカラーバリエーションが豊富な車両を使っていて、桜との相性もばっちり。とても絵になります。

上りホームに移動。いい光景だなぁ。

下りホームを眺めるだけで喉が酒を求めます。


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駅と桜

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青い井の頭線

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ピンクの井の頭線


多少雨が降りそうなので、井の頭公園でゆっくりするのをあきらめ、次の駅へ。

次は京王線、柴崎駅です。

千歳烏山→仙川→つつじヶ丘→柴崎といった位置取り。
その先は国領→布田→調布と繋がっていきます。

こちらも井の頭公園駅と似たように、桜が寄り添うように並んでいます。
京王線は帯がピンクなのでマッチしていいですね!


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井の頭線→京王線に乗り換え(明大前)

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柴崎駅の桜

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窓の外も満開


柴崎駅は各駅停車のみが止まります。特急や急行は通過です。
そしてこの柴崎駅の素晴らしさはなんと言っても特急などの通過時にわかります。

満開を過ぎて桜が散り始めた頃に、通過電車が来ると桜がぼわっと舞い上がるのです。

エレファントカシマシのニューシングルは「桜の花、舞い上がる道を」というとてつもない名曲でしたが、まさにこの柴崎駅は「桜の花、舞い上がる駅を」です。

取材日はちょうど満開くらいだったので舞い上がりは少しだけでしたが、それでも綺麗。

通過のたび、舞い上がる桜。
京王線の中ではわりとシブい駅ではありますが、この季節はとっても華やかな駅です。


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桜の花、舞い上がる駅を

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ホーム桜

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そのまま八王子へ


柴崎を後にし、そのまま京王線で京王八王子へ。
JRの八王子までは歩いて5分くらい。

だいぶ寒くなってきました。
雨もちらほらと落ちてきています。

次のスポットまで持てばいいですが。


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ラーメンで体を温める

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八高線・高麗川行き

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自分でドアを開けるスタイル


「自分でドアを開けるゾーンに突入ですな」
「こうなると少し旅の感じが出てきますよね」
「次はナベさんオススメのスポットなんですよね?」
「えぇ。この季節になると必ず行くんですよ」
「桜を見に?」
「えぇ。桜を見に」
「なんか八高線ってそそられますよね」
「でしょ?いいですよね。ここから二つ目の小宮という駅に行きましょう」
「小宮ですね。行きましょう」

何度も言いますが、八高線というだけでそそられます。



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八王子→北八王子→小宮→拝島


八高線。八王子と高崎を結ぶいわゆる縦に伸びる路線。
関東のJRの中では横浜線や相模線とどこか似た雰囲気を持っている気がします。

だいぶ日が暮れてきました。
ずいぶんと淋しい感じになってきてます。

さぁ小宮下車。

お、あ、ん(見渡す)

あ、あった。

こりゃー、また、ぽつんと咲いてますなぁ。


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こりゃまたぽつんと

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駅舎もどこかピンク色


どばっと咲き乱れているのもいいですが、駅にぽつんと咲いているのもいいなぁ。

一旦駅を出て、傘と日本酒を買いました。
時刻は17:30。長居は出来ませんが、一杯飲んで帰りましょう。

また戻ってホームに行き、桜に近づいてみます。

「昔はもっと周りに何もなくて情緒があったんですよ」
「今でも十分オツですよ。八高線っていつ電化されたんでしたっけ?」
「電化されたのは96年ですね。電車じゃなくて気動車が走っていた頃はホームももっと低くて田舎の風情があったんですけど、ずいぶんと駅も綺麗になりました」
「ナベさん、いくつでしたっけ?」
「22です」
「…何でそんな昔のこと知ってんの?」
「小さい頃からそんな趣味でしたからね。吉川さんも似たようなものだと思います」
「まぁ、その通りです。お互い爺臭いですよね」


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曇り空でも元気に咲く小宮の桜

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見上げる

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桜で一杯


四ツ谷、井の頭公園、柴崎、小宮。
東京ではなかなか珍しい、駅と桜が間近な駅です。
派手に狂い咲く桜、健気に一本立ちすくむ桜。何で我々はこんなに桜が好きなんでしょうね。

ぜひみなさんも桜が見える駅、お楽しみください。

…といってもだいぶ散ってしまったのでまた来年です。
儚いところがまたいいんでしょうなぁ。


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また来年!





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