ダーリンハニー吉川「鉄道は私のものではない」

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最近和菓子に目がない。昔は見向きもしなかったのに、三十歳を超えて突然好きになった。だんご、大福、おはぎ、羊かん、くずきり、わらびもち、せんべい、おかき。ご飯を食べた後にお茶をすすりながら和菓子を食べると口の中が絶妙に締まる。舌や体やらが和風を求める。こうやっておじいさんに向かっていくんだなと実感する。

電車にも目がない。目のなさはこのページで散々ご紹介している。

最近、夢のコラボがあると聞いた。電車の形をした「もなか」があると言うのだ。電車ともなか。世間で言うところの「最高」というやつである。


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最高


他の和菓子はよく食べているが、もなかは久しく食べていない。

もなか。モナカ。最中。中学生の頃、「もなかのサイチュウ!もなかのサイチュウ!」と叫んでいた記憶があるが、今になると何がおもしろかったのだろう。

しかし、おばあちゃんの家などで食べるもなかはたいへん美味しかった。パリパリしつつ、しなっとしている皮。そんなシナパリが包む、どうしようもなく甘いあんこ。食べ終わった後の水分への欲求。もなかは和菓子の王様と言ってよい。

そんなもなかが電車とコラボしただなんて。
さっそく鉄道友達ナベさんを誘いお店へと向かった。

まずは「都電もなか」を狙う。



ここは大塚。山手線外回りに乗ると、目白→池袋→大塚である。

山手線の下には、都電荒川線がちんまりと走っている。色はマスクメロンのようで山手線のラインカラーにそっくりだが、都電は1両の単行運転。山手線は堂々11両編成である。大塚でのある意味立体交差クロス。たまらぬものがある。


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大塚クロス

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梶原駅で売っているようだ

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マスクメロン的な都電

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大塚から18分、梶原に着いた


取材日はGWの入り口とあって、車内は猛混雑。都電は3両編成でも十分いけると思うが、残念ながらホームが短い。しかし私が都知事ならばホーム延長工事をし、41系統あった都電をすべて復活させたいと思う。都電は1路線じゃ少なすぎる。都内は渋滞がひどい。ドイツを見よ。フランスを見よ。行ったことはないが、そこかしこを「トラム」と言われる路面電車が大活躍中だそうではないか。遠すぎるなら富山を見よ。いまこそ東京にも路面電車が強力に必要である。

…話がそれた。

梶原に着いたのだった。

歩いて1分掛からぬ場所に、都電もなかは売っていた。

店構えは町の和菓子屋さんの風情である。


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1両、140円。10両入り、1450円。

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買った

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隣の荒川車庫前で食べよう


袋の色が都電色。うれしい。また捨てられぬものが増えた。

ぼんやり歩いていると、荒川車庫が目に飛来してくる。いくつもの都電車両にまぎれて、レトロ車両も止まっている。土日のみ開放の「都電おもいで広場」に入る。都電もなかを食べるにはうってつけの場所だ。

食べる前に、展示車両が気になった。

「PCCカー」なるクリーム色の車両と、「学園号」と呼ばれる黄色い車両である。


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PCCカー

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学園号


PCCカーは世にも珍しいペダルで運転できる車両であった。いわゆるマスコンとブレーキが運転席にない。車のように電車を足元で操作するのだ。電車は線路を走るので、ハンドルはもちろんない。実物を見てこれにはたいへん驚いた。


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少年に運転席を譲れとねだられる


車両を一通り愉しんだところで、都電もなかである。
この流れ、我ながら美しいと思った。

袋は都電色だったが、包み紙にもカラフルな路線図の絵が書き込んであってこれまた凝っている。

開けてみる。長方形の箱からぬベーっと都電の形をしたもなかが出てくる。

食べてみる。電車をかじっているようで怪獣になった気分だ。

皮とあんこと、もちもちの求肥が入っていた。
冗談抜きで美味しい



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箱と包み紙

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10両セット

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箱からもなかが

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ウマイんです


都電もなか、伊達ではない。何個(何両)も食べてしまいそうだが、連続して食べると罪悪感がすごそうなのでやめた。やはりもなかは相当甘い。二十日間はもちそうなので、食後のお供に取っておこう。


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次へ移動

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チンチーン


都電のあとは高幡不動に移動する。
新宿へ行き、京王線に乗る。

伝説の「多摩モノレールもなか」をGETするためだ。


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京王線・新宿駅

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多摩モノレール・高幡不動駅


高幡不動と言えば新撰組が有名だが、それは相棒の長嶋君の領域なので入らない(入れない)。私は歴史にはまったく疎い。中でも幕末は特に疎い。どうやらコンビとはお互いの欠けている部分を埋めあって生きている存在らしい。

さて、多摩モノレールもなかだ。

「おい、モノレールではないか」
「電車ではないではないか」

というなかれ。以前、タモリさんは「モノレールは電車にあらず」とおっしゃっていたが、モノレールにはモノレール独特の魅力があると言うことも同時に説いておられた。

私もモノレールは好きだ。
電気的な風情がある。都市的で、未来的だ。どこか町を「浮いて」走っているように見える。


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浮いているようだ


モノレールには主にまたがるように走る「跨座式」(こざしき)とぶら下がるように走る「懸垂式」の二種類の走法がある。多摩モノレールはまたがっている跨座式。橋脚にかなりの高さがあり、多摩地区と立川地区を見渡しながら走る姿は圧巻である。

今回の目的はもなかだが、今度あてもなく乗ってみたいと思う。

駅へと歩く。
伝説のもなかは駅の売店で売っていた。


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高幡不動の売店

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伝説の多摩モノレールもなかをゲット


ホームで早速開けてみる。

多摩モノレールもなかはこんな感じだ。


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絵がいい

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形もいい

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ホームへ進入しているみたいになる


箱がホームになっているなんて芸が細かい。

もなかは赤と白の二種類があり、それぞれ赤が白あん、白がこしあんに別れている。


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こしあんだ

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赤だ

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白あんだ


だんだんと顔が変になってきた。

甘いからである。

本日、三本目のもなか。
もなかは一本食べれば十分な食べ物である。甘さの凝縮こそがもなかの良さである。 一気に三本も食べる種類の食べ物ではない。

口の中も渇いてきた。

今日はもうひとつ「江ノ電もなか」も狙う予定だったが、スイート・コールドゲームにより、次回以降に持越しということになった。


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スイートコールドゲーム

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帰りは多摩センターに向かった





全国にはこれ以外にもたくさんの「電車もなか」が販売されているらしい。

もなかと電車&モノレールとのコラボはとどまることを知らない。

冒険の最終章には、愛知で販売されているというリニモにちなんだもなか、「リニもなか」を狙いたいと思う。何でも中身に八丁味噌を使っているらしい。

もなか道は奥が深そうだ。






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