秋と言えば食欲の秋、読書の秋。サンマがおいしく紅葉がきれいな季節。 しかし日本にはもうひとつ、秋の風物詩がある。 鉄道フェスティバル(略して鉄フェス)である。 これはもう文句なくそうである。 なぜか。 それはー(せーの) 「10月14日が鉄道の日だからー!」 画面の前で完全に声が揃ったと決め付けて話を進めたい。 10月14日は新橋-横浜間に日本で初めて鉄道が開通した記念日。それに合わせて日本では各地で鉄フェスが開かれるのだ。私は毎年日比谷公園で行われる鉄フェスに参加している。 もちろん今年も参加したので、ごく主観的なリポートをお届けしたいと思います。 いざ日比谷 |
今年は10月11日(土)・12日(日)の二日間開催。 私が行ったのは初日の11日。いつものことだけれど日比谷の鉄フェスはものすごい人が集まる。鉄フェス界のフジロックみたいなものだ。 私の心はいつも「これだけの人が鉄道に興味があるんだ」という嬉しさでいっぱいになる。鉄道ファンが集結する場所はほとんどない。基本的に鉄道が好きなのだから休日は各地の路線にそれぞれ散らばっている。その鉄道ファンが一気に集結するのが日比谷の鉄フェスなのだ。 千代田線の風を頭にかける きたぞ 入り口では「テッピーニュース」という新聞が配られている。表紙は今年引退する0系新幹線だ。テッピーニュースには会場の案内図や各催し物の案内などが 載っている。否が応にもテンションが高まってくる。ロックフェスの前に「どのバンド見ようかな」とタイムスケジュールを見ているときのワクワクと似てい る。 会場に入るといきなりテッピーが迎えてくれた。 テッピーは子供にも大人気である。 テッピーニュース 子供に大人気のテッピー 鉄道フェスティバルの楽しみといえば何と言ってもグッズを買うことだ。 各鉄道会社がブースで物品販売を行っているのだが、中にはこの日しか売られないグッズもあり各ブースには長蛇の列が出来る。 私は収集にそこまで力を入れているわけではないので覗く程度だが、一応何が売っているのか気になるのでブースを回る。というかグッズは家に山ほどあるのでもうこれ以上買えないというのが本音だ。 覗く 欲しいなぁ 並ぶ 欲しいなぁ 買い出すと子供みたいに歯止めが利かなくなるので、今年は何とか覗くだけで済んだ。 でも覗くだけで十分楽しい。収集に力を入れているみなさんは両手に持ちきれないほどのグッズを持っている。よく言われることだが、やはり鉄道趣味とは字の ごとく「金を失う道」である。みなさん「買っちまったよ」と首をかしげながらもとても満足げな顔をしている。鉄フェスならでは表情だ。 「買っちまった」と「喜び」を抱えて さて、鉄フェスのもうひとつの楽しみは駅弁だ。 ロックフェスでも美味しい屋台は出ているが、鉄フェスは当然駅弁である。 全国各地から厳選された駅弁が届いている。人気の駅弁はお昼にはたいてい売切れてしまう。私は午後からの参加だったのでかなりの駅弁が売り切れていたが、大好きな「牛肉どまん中」が売っていたので即買いをした。もちろんビールと共に。 売り切れ続出 牛肉どまん中 うまい ビアー 日比谷公園はただでさえ素晴らしいロケーションを携えた公園だ。 周辺をビルに囲まれながら広大な緑を保っている。特に何もしなくても気持ちいい。 そんな中鉄道ファンが大集結している。 日比谷野外音楽堂からは陽気な音楽がだだ漏れしている。 普段抑えてきた欲求がなんとなく満たされているような気分になる。 「ま、このままでいいか」と現状が愛おしくさえ見える。 文明のはざ間で 大きな路線図を買った親子の姿 あの路線図持ちづらいんだよなぁと親子を見ながら思う。 私もいつか親になって子供に路線図を買うときが来るのだろうか。いや、なったとしたら家にある路線図をあげればいいじゃないか。グッズだってたくさんある。子供が鉄道好きになったら父さんとして教えてあげられることは山ほどあるのだが。 としばらく勝手な家族夢想をしていると携帯が鳴った。 鉄道友達のナベさんからだ。 「吉川さん今どこですか?」 「芝生で駅弁を食べてますよー」 「あ、じゃあ今から行きます」 ナベさんチームと合流 ナベさんチームはそれぞれバラバラに鉄フェスに来て合流したようだ。 お会いした4人のうち3人は本物の鉄道職員である。そういえば歩いていたらタモリ倶楽部でよく一緒に出ている東京メトロの東出さんにも会った。鉄フェスの2割くらいは案外本物の鉄道マンなのではないか。そうだとしたらなんとなく嬉しい。 「27時間寝てませんよ」とナベさんが言うので「え?朝から来てたんですか」と聞くと「もちろん」とナベさん。「でも27時間前からいるわけではないですよね?」と聞いたら「楽しみで眠れませんでした」とナベさん。もう一仕事も二仕事も終えたような顔をしている。 みなさんが買ったグッズについて談笑 買いましたなー 鉄フェスは17時閉会。 最後にサザンが大トリを…というような演出はなく、みなさん最後の「買おうか買うまいか」で迷いながら奔走している。 私といえばずっと気になっていた動く機関車トーマスの前に立っていた。 しばらく迷っていると「大人の方もどうぞー」と係員さんが促してくれたので乗ることにした。 トーマス ナベさんとふたりで トーマスが1周したところで、秋の鉄フェスはお開きとなった。 |
常設の博物館も楽しいけれど、やはり鉄フェスはお祭りの雰囲気で華々しい。 毎度来る度に「こんなに鉄道ファンは多いのか」と思うものだが、今年は家族の方がとても多かった気がする。ちびっ子もたくさんいた。小さな頃から鉄フェスに来るなんて相当のエリートである。 帰り際、看板の上に猫が座っているのを見つけた。 「もしや、特別ゲストで和歌山の駅長たまちゃん?」と思ったが、日比谷公園に住みついている猫らしい。ものすごく可愛かったが、きっと鉄道への関心は…ないと思う。 また来年ニャー |
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