今年の野球は西武ライオンズが見事に優勝を果たした。 私は横浜ベイスターズのファンなので優勝できなかったのは悔しいけれど、あれだけダントツに負けると逆に気持ちいい。そしてライオンズファンの方には心からおめでとうございますと言いたい。 しかし私の中では西武といえば電車である。 西武は関東私鉄の中でも魅力的な路線のひとつだ。 路線がいくつもあり、枝分かれをしている。この時点で惹かれる。そしてレッドアロー号という特急もある。古い車両はなんともいえない黄色で、小さい頃よく新井薬師の公園で眺めていたので思い入れも強い。 ライオンズも優勝したことだし、西武線をめぐる旅がしたいなと思った。 それも西武新宿線や西武池袋線あたりのメインどころではなく、いくつかある小さな西武の支線に乗りたいと思った。 支線が多い西武線 ずっとやりたかった西武支線めぐり。 ライオンズ優勝を契機に行ってまいりました。まずは是政(これまさ)へ! |
今回乗るのは西武支線・半日コース。 多摩川線→国分寺線→西武園線→狭山線→山口線→多摩湖線 の激シブ6線。武蔵野エリアをぐるっと回る旅だ。 西武線を通学に使っていたという鉄道仲間のナベさんを誘い、まずは多摩川線の是政に来た。是正(ぜせい)と読みたくなるけど、是政(これまさ)だ。 是政(これまさ)駅 やった101系だ! なんともいえない顔である。 多摩川線はむかし是政線と呼ばれていて、西武線の中でも古い車両が集結している。101系の顔ときたら非常にシンプルだ。「昔の男前」という言葉があるけれど、101系もそのタイプだと思う。そしてどこか大人の色気と愛嬌がある。高田純次さんみたいな感じだ。 いいなぁ、懐かしいなぁと感慨にふけっていると発車の笛。 ゆっくりと多摩川線は走り出した。 昼間の支線に揺られる 武蔵野の面影を見ながら なんともたまらない。 多摩川線は8キロ弱の小さな路線だ。13分の短き旅である。 西武多摩川線案内 あたりを見渡すと競艇場や公園が見える。 沿線にはサッカー場や競馬場、多磨霊園などがある。 最初は空いていた車内も、終点の武蔵境に着くころにはけっこうな混雑率になった。 大学の授業が終わって気だるそうにシートに座る大学生。主婦のおばさま。野球帽をかぶったおじさん。元気な小学生。典型的な郊外の昼模様が多摩川線では展開されている。 101系はあっさりと武蔵境に着いた。 西武線の武蔵境駅は中央線の高架化に伴って、同じように高架化された。 とってもきれいな駅である。 武蔵境到着 西武といえばボールマーク(「西」の文字を丸くしたもの) 昼の多摩川線はゆるやかでよかった。 昼自体ゆるやかなものだけど、多摩川線はそれをもっとゆっくりにしてくれる。 本線の慌しさはなくて、その分遠くにも行けない。でも必要としている人がいる。 今度は沿線散歩もしてみたいなと思った。野川公園で読書なんぞしてみたい。 中央線にタッチ&ゴー さて次に乗るのは国分寺から出ているその名も「国分寺線」である。 中央線で来ると武蔵境→東小金井→武蔵小金井→国分寺だ。 ここからは国分寺線と多摩湖線の2線が出ているが、まずは中央線に隣接している国分寺線に乗ることにした。 西武園行き 少し待ったら西武園行きが来たので乗車。 西武園行きに乗れば国分寺線から西武園線まで一気に乗れてしまうので、支線めぐりをしている者にとっては得した気分になる。 くぼみかぶりつき ロマンチックな恋ヶ窪 東村山を過ぎるとワイルドに 西武園に到着 水曜日の西武園は閑散としていた。 近くには競輪場や西武園ゆうえんちがあるが、水曜日は休園日のようだ。 ならば人がいるはずもない。週末の開園日にはこの大きな駅に家族連れやカップルなどがたくさんいるのだろう。 休みの遊園地はわりとクールでシュールだ。 駅がどでかいぶん、どこか悲しみが増す。 クール シュール 休園日の悲しみ 私はこういう風景が好きだ。 誰もいないようなところに来ると、悲しくて嬉しいような変な気持ちになる。そしてこういうところにくると、逆に人にとても会いたくなる。私はそんなことを繰り返してバランスを取っている性格のようだ。 どちらにせよ、西武園駅は大きかった。 ちなみに駅は東京都だが、西武園は埼玉にある。境目の不思議な立地だ。 ふたたび戻って 所沢へ 所沢からとなり駅の西所沢へ。 だんだんと「今私はどこにいるのか」わからなくなってくる。 西武支線めぐりの醍醐味はきっとこれだ。 土地勘のない場所をぐるぐる回るというのは次の展開が読めなくて案外楽しい。 西所沢で狭山線に乗り換え 狭山線の終点は冒頭でも出てきた西武ライオンズの本拠地西武ドームがある「西武球場前」だ。当然のことながらもうオフシーズンなので、こちらも下車する人はとても少ない。 駅に着いた。 先ほどの西武園以上にホームが大きい。 野球開催時はごった返すであろうホームに、いるのは私だけ。 広いホームに私だけ こんど・つぎ・そのつぎ・そのあと 西武ドーム直結 実はこの西武支線めぐりで一番乗りたかったのがこの後に出てくる山口線である。 山口線は通称「レオライナー」と呼ばれていて、箱みたいな形をしている。 私はこの車両を写真で見たことがあって、どんな乗り物なのかずっと興味があった。 レオライナーは西武球場前から出ていて、西武球場と遊園地を結んでいる。 しんと冷えてくる体も、レオライナーに乗れると思ったら熱くなってくる。 と! レオライナー入線! ずっと乗りたかったんですよ 乗ってみて驚いたのはレオライナーは自動運転ではなく、ちゃんと運転士の方がいて手動で運転していたこと。勝手にゆりかもめのような運行システムを想像していただけにびっくり。 レオライナーはドームを横切り、左手にはゴルフ場、遊園地をひた走る。 夕暮れのドーム 電車でもなく、モノレールでもなく 休園日の遊園地 あっという間に着いてしまった。 支線は短いのであっけなく終点に着いてしまう。 でもそのあっけなさの連続が西武支線めぐりの魅力だと思う。といってももう夜だ。 終わってしまいます 最後の路線、西武多摩湖線。 武蔵野の夜。 住宅地の灯り。 国分寺に戻ってきました |
なんだかんだ5時間に及ぶ西武支線めぐりも終了。 平日にぐるーっと武蔵野をまわる旅。 周辺には観光地が多いので土日にめぐるとまた変わった風に見えたでしょう。でも私は平日の支線がどうやら好きなようです。 「枝分かれを楽しむ」 それには西武の支線がぴったりでした。 シーユー! |
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