先日『第44回・元祖有名新宿と全国うまいもの大会』が新宿京王デパートで催された。この大会はその名の通り、元祖有名駅弁と全国のうまいものが集結するという非常にわかりやすい大会である。 私は4年ほど前に北海道の最北端・稚内から東京までの駅弁を1週間食べ続けるというロケに出かけたことがある。毎食が駅弁だったので3×7=21。最後の方はさすがに温かいおじやが食べたくなったけれ ど、あの旅で食べた駅弁は今でも忘れられない。駅弁と旅、駅弁と鉄道、鉄道と旅の三角関係は、切っても切れない仲である。 さて、駅弁大会だ。 200を超える駅弁が新宿に大集結である。 これは祭りである。もはや駅弁祭(えきべんさい)である。 私はよだれを垂らしながら、晴れた冬の昼、新宿京王デパートに向かった。 新宿京王へゴー 駅弁大会ダー |
私は京王デパート7階に上がった。 エレベーターのドアが開いた瞬間から「全国!」「駅弁!」という匂いがしてくる。そして平日の昼間だというのにものすごい人である。 みなさんここでしか手に入らない駅弁を求めて彷徨い歩いている。 また年齢層がかなり高い。若者はこの時間きっと学校であろう。または会社であろう。この空間の中では31歳の私はさながらルーキーだ。 いかめしTシャツ 駅弁ルーキー パンフで駅弁確認 当然今日の昼ごはんとして駅弁を食べるわけだが、200種類以上の駅弁からひとつの駅弁を選ぶ作業は容易ではない。「欲張って2個買っちゃおうかな」とも考えたが、私は少食である。1個でお腹 いっぱいの幸せ者だ。記事的には大食いの人が駅弁を10個くらい食べる方が絵になるのだろうが、ここでは200個から1つを選ぶことの方が私には重要に思 えた。 この中から一つ どれにしようかと探しているとき、役立ったのは4年前の駅弁の旅だった。なにせ21個食べているのだ。ここで行列が出来ている有名駅弁もけっこう食べたこ とがある。すべての味を覚えているほどの神の舌は持ち合わせていないが、駅弁の名前をを見て「あ、あれ食べたことある」という記憶は何となくある。 それでも迷う。 これも美味しそう これも これも そのとき、カキの匂いがぷんとした。 私はカキに目がない。「カキの駅弁?なんだろう」と思って近寄って見ると「氏家かきめし」と書いてある。北海道は根室本線・厚岸(あっけし)で販売されている駅弁のようだ。 ものすごくうまそうである。 「美味しそう」じゃなく、「うまそう」だ。 カキのエキスで煮込んだご飯の上に、大きなカキが4つも並んでいる。 でも相当な行列だ。何十人もの駅弁ハンターの方々が大行列を作っている。 並んだ 根室本線の駅弁なんてなかなか手に入らない。 私は20分ほど並び、無事「氏家かきめし」をゲットした。 駅弁大会バンザイである。駅弁を手にしたとたん計ったようにお腹が空いてきた。 かきめしゲット どこで食べるか うーん、新宿で食べても味気ないし、どこかいいところないかなぁ… というのは嘘で、この後の展開はすでに決めていた。 ただ駅弁を普通に食べてももったいない。 せっかく根室本線のかきめしを手に入れたのだ。 ロマンスカーだ! 私は「新宿京王で駅弁大会」と聞いて、すぐに「ロマンスカーで食べたい!」と思った。先述したとおり鉄道と駅弁の関係は密接である。流れる景色を見ながら食べる駅弁は1・5倍美味しい。いやきっと8倍は美味しい。いや計り知れない。 私はロマンスカー@クラブPCの会員である。 前日に「まさか展望席は空いてないよな」とチェックしたら見事に空いていたのですぐさま押さえた。それも50000形VSEである。さすがに1列目は取れなかったが十分だ。平日の昼間パワーはすごい。 大パノラマ たまりませんな 歯茎が出てしまった。 このバクストで何度目の歯茎だろう。 やはりロマンスカーの展望席は楽しすぎる。普段のかぶりつきでは見ることができない大きさで景色が流れていく。下北沢、成城学園前を過ぎ、多摩川を超える。向ヶ丘遊園、新百合ヶ丘。大学>でいつも通っていた鶴川。玉川学園前。 あっという間に町田 お腹が空いているのを忘れるくらいの展望だった。 でも町田までの風景は片手間には見れない。 町田過ぎくらいから駅弁に手をつけるのがいいタイミングかもしれない。 ここでかきめしの登場です うまそうです めちゃんこうまいです 厚岸のかきめしは本当にうまかった。 味の染み込んだご飯、ぷりぷりのカキ。 さすが駅弁大会だ。コンビニでは絶対に手に入らない地元の味である。 ごちそうさまです 丹沢山系が見えます VSEとすれ違ったりして 箱根湯本でフィニッシュ |
85分の旅。景色を見ていたらあっという間。 新宿から箱根湯本を走っているのに、口の中は北海道。これこそが駅弁トリップ。旅をしながら旅をする。駅弁大会に行ってよかった。 みなさんも今度駅弁大会があるときは、特急とのセットがおすすめです。 ぜひ! |
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