列車に揺られていると眠くなる。 何だかわからないけれど眠くなる。あの眠気の正体は何だろう。鉄道と眠気に相関性はあるのだろうか。 最近も特急スーパーあずさに乗っていたら眠気がやってきた。松本―新宿間は約2時間30分。最初のうちは全然眠くないし、むしろ興奮状態である。「うふ ふ。特急だ。お茶をすすりながら窓の外を眺める。なんて優雅な時間だろう(ガタンゴトン)…あ!車庫だ。お、信濃色の車両がいっぱいだ!やっぱりあずさは 何度乗ってもいいですなぁ」 興奮状態 窓の外を眺めながらボケーっと考えごとをする。特急の醍醐味だ。 突然思考が思い出モードになったり、現実的になったり、50年後を考えたり。ここに住んでいる人はどこで買い物をするんだろう。あ、でかいスーパーがある。きっとあそこで毎日買ってるんだな。地元の人はみんなあそこだな。 まだまだ車窓 徐々に流れる景色が心地よくなってくる。揺れもゆりかごのように眠気を誘う。私は鉄道が好きだ。車窓を眺めるのも好きだ。でもなんでこんなに眠いんだろう。鉄道と眠りが対になっている気さえしてくる。ねちゃだめ、けしきを見たい、ねむい、みたい、みむい、むねい… こんな感じになってきて ストン 濃厚な夢を見て、10分おきくらいに目が覚める。後を引きずるダメな眠りもあれば、たまにパーフェクトみたいな眠りもある。とにかく鉄道においての眠りはどこか特別だ。でも私は特急ではよく肘をついたまま寝てしまうので、起きるとたいてい頬と肘が痛い。 |
なるべく寝たくないとは思っている。 でも寝てしまう。あのチャージ感。 家でもないのになんだろう。他人もいるのに何だろう。 ということで鉄道と眠りの関係について検証してみた。 お腹をいっぱいにして、山手線を2周してみた。 携帯をいじるのはNG。本も音楽もなし。ただひたすら何もせず山手線に乗ったらば、私は寝てしまうのだろうか。山手線は一周約60分。2周で2時間だ。検証するにはちょうどいいだろう。 お腹いっぱい 夕方 私は16時くらいが一日の中で何となく眠い。ちなみにこの時計は住さんに結婚祝いでいただいたものだ。とても気に入っていて毎日着けている。でも周りのみんなに自慢したけどあまり羨ましがられなかった。おかしい。 いざ! 渋谷から内回りで2周。内回りは渋谷→恵比寿→目黒と続く。 さっそく検証…と思ったが、席が空いていなかった。さすが山手線。でも知っている。山手線は案外すぐに席が空く。渋谷からは遠くまで乗ってもだいたい東京までだ。たいがいの人はその手前で降りてしまう。 いきなり立ち寝はしませんよ これおいしそう 品川で座れました ここからが勝負だ。 いや、勝負などしない。ひたすら自然と乗っていよう。 山手線は何十回・何百回と乗ったことがある。景色も見慣れている。わりと暇である。でもやはり都会を円環している山手線は魅力的な路線だ。10分ちょっとの間にものすごい人が入れ替わる。 あ、京浜東北線と並走だ! 近い あっという間に田端です 田端―池袋間は私の中でわりと長く感じる。駒込、巣鴨、大塚。長く感じるけどまだ眠くはない。この感じだと寝ない気がする。見慣れた景色とはいえ窓の外は 東京。常に変化を繰り返している街々。あそこにあったホテルがないな、マンガ喫茶になってるなとかポツポツと独り言のような思考が浮かんでは消える。 あっという間に一周 いけるじゃないですか 全然眠くならないじゃないか。これはいける。もしかしたら始発から終電まで行けるかもしれない。もちろんその分の運賃は掛かるけれど。 とおもいきや 足元のヒーターが暖かい 2周目に入ったとたん、ねむい。 ねむい。ねむい。 しながわ。とうきょう。うえの。頭の中が全体的にひらがなになってくる。 そして ねた 落ちるようにねた 上野を過ぎてくらいからは覚えているけど、田端から池袋までの記憶がない。上野でどっと人が降り、ずいぶんと空いたなと思ったきり記憶がない。鼻の裏あたりから眠気がやってきて頭に侵入し、全体が下がったような気がしたら池袋だった。 起きたらこんな感じ 一瞬、5周目くらいの山手線かと思ったけれど時計を見たらまだ2周目だった。よかったよかった。 よくねました すごくよく寝た気がしたけれど、時間にしたら大したことはない。でも8時間くらい寝たような気分だった。きっとレムとノンレムがうまくいっただけだろう。 |
わざと眠りに重点を置いて鉄道に乗ってみてわかったことは以下の点。 1 山手線1周目は案外寝ない 2 体が慣れて温まったころ眠くなる(とくに冬) 3 自分にとって眠い区間がある 4 山手線で寝るとけっこう怖い 5 電車で寝ている姿は情けない (※あくまで個人的な感想です) 鉄道は暖かい。適度な揺れがある。まるで母のようだ。 なんとなく人は列車で眠くなって当然な気がした。 グー 列車で寝るのは気持ちいいですが、乗り過ごしだけはご注意を! |
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