ぼくは横浜ベイスターズのファンですが、そんなことはこの際関係ない。一野球ファンとして、ベテラン桑田のピッチングが見たい。コーナーに決まるコントロールと、味のあるカーブが見たい。高校を出て20年間プロの第一線で活躍してきた男の生き様が見たい。巨人の2軍はどれくらい強いのか見てみたい。打順を見る。1番亀井、2番仁志、3番小関、4番アリアス、5番斎藤、6番大西、7番黒田、8番實松、9番桑田。何だこの打線は。5人もトレードで取った選手がいるじゃないか。大丈夫かジャイアンツ。仁志はどうして2軍なんだ。亀井を横浜にくれないか。など愚痴をたれているうちに試合開始。けっこうお客さんが入っています。
1回の表、桑田、ナイスピッチン。ほとんどが詰まった内野ゴロ。さすがの投球術。すばやいテンポで1回を終える。球場も大盛り上がり。
1回の裏、1番亀井がいきなりの先頭打者ホームラン。またも球場大盛り上がり。ぼくは巨人嫌いなので周りを気にしながら親指を下に下げる。
2回の表、桑田、先頭打者に打たれる。次の打者にも打たれる。次の打者にも打たれる。満塁。あれ。桑田がマウンドにキャッチャーを呼ぶ。野手が集まる。なぜかコーチも出てくる。会議が長い。どうしたどうしたと球場が不穏な空気に包まれる。すると…
「ピッチャーの交代をお知らせします。ピッチャー桑田に代わりまして、野口」
えー!えー!
桑田を見にドームに入ったのにー!全体のため息がぽわぽわ舞い上がって目に見えるよう。
その日のニュースによると、桑田は腰に違和感を感じ降板とのこと。
仕方ない。腰に違和感だもの。ピッチャーはどこかに違和感を感じると球が投げられない生き物なんだもの。それに一番悔しいのは桑田であろう。もっともっと投げたかったであろう。よし、出よう。ぼくらは桑田に誘われて大きな卵に入ったんだ。その桑田が降りるというなら、ぼくらも出よう。2番手野口。またもトレードで獲得した投手。いかがなものかジャイアンツ。常に勝利という宿命を背負った球団だというのはわかるけど、もう少し若手を育てたらいかがか。調整と育成をかねた2軍だけれど、巨人は調整の比重が強すぎて、打順を見ていてあまり未来を感じない。ヤクルトは腸整、いや調整よりも育成に比重を置いていた。今後伸びてくる選手もあの中にはいるだろう。ただジャイアンツ愛に燃える原監督は今後若手をどんどん育てていきたい方針をもっているのだそう。今後に期待しよう!
とジャイアンツのことばかり気にしてしまいましたが、そういえば我らがベイスターズもピッチャーがひどいなと脳の中が野球だらけになりながら東京ドームを後にしました。
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