『実に感じる』(3月1日)
「東京の満員電車に乗ったりすると、日本の人口が減っているなんて嘘っぱちじゃないかと思いますが、地方のローカル線に乗ると、たしかにそうかもなと実感します。新幹線に乗ると、日本がいかに都市集中型の国なのかよくわかります。とにかく乗って歩く。実に感じる。あとは酒飲んで寝る。ひとり酒は実に酔っ払う」

『天才がいた』(3月2日)
「今日は『初恋の嵐』というバンドで活動していた西山くんの命日。ぼくらが下北沢の音楽イベントで司会をしていた頃、西山くんに会いました。初恋の嵐。曲から声からバンド名から天才だと思いました。年齢も変わらなかったので、多少嫉妬しました。亡くなる数日前、ギターを背負った西山くんと駅ですれ違い『西山くん!』、『おー、吉川くん』と声を交わし、何分か話したあと『またねー』とわかれたのが最期。急性心不全と聞きました。25歳。今でもぼくの数少ないカラオケレパートリーに『真夏の夜の事』は入っています。聴いたことがない方は『初恋に捧ぐ』というアルバムをぜひ。きっとまだ天才はいますよ」

『カッカする』(3月3日)
「いまだにコーヒーが飲めない29歳です」

『自力と他力』(3月4日)
「思い出せないことがあっても、なるべく自力で思い出したいところです。昨日から『ソフトバンクの前はボーダフォンだったが、その前はなんだったか』というアリ地獄に陥り、悶々としていました。悔しいので一晩寝て、起きたら首を寝違えていてそれどころではなく、しばらく経ったらアリ地獄を思い出し、仕方がないので友人に聞いたら答えが即座に帰ってきて、『あー!!』と叫んで首に痛み。この人生/自力のみでは/無理のよう」

『たて路線』(3月6日)
「昨日は南武線に乗りました。縦を貫く線、南武線。他にも縦は横浜線、相模線。東急ならば大井町線。東京メトロ南北線。たて移動は独特の運動性がある気がします。丸い緑の山手線に乗るのと、真ん中通るは中央線に乗るのでは移動の感覚がちょっと違うような。華々しい環状線。爽快な横路線。縦路線はどこかアウトロー。武蔵野線も半円だけどなぜかアウトロー。彼らの位置取りに、なぜだか惹かれます。酒と女とギャンブルと。家庭と子供と老成と。見せかけだけじゃ生きていけぬ世の中を、縦路線は写しているような、いないような。でも南武線は普通に混んでいました」

『目薬』(3月7日)
「ロート『Zi』の一番スッキリするやつを愛用しています。毎回買うときに『ズィー』と発音するのが恥ずかしいなと思っていましたが、最近裏を見たらば『ジー』と書いてあったので、なんだジーでいいのかと思いました。Zの感じは表現しなくてもよかったんですね。わりと何年もはっきり『ズィーをください』と発音していたので、裏を見てやられたと思いました。ジーだとずいぶんこちらの負担も減るのでうれしい発見です。まだズィーの方、ジーで大丈夫ですよ」

『耳餃子』(3月10日)
「寝るときは耳を折りたたんで寝ています。耳を餃子のように折りたたんで。みんなそうしていると思っていたら、周りには誰もいませんでした。子供の頃から耳を折りたたんでいるので、誰もやっていないことに驚きました。横向き寝で、低い枕で、耳餃子している方。いらっしゃいましたら、小さな握手を交わしましょう」

『常磐線ツアー』(3月14日)
「3月18日ダイヤ改正が近づいてきました。今年はPASMOの登場が話題ですが、毎年この時期になるとこんにちはとさようならがあり、新たなシステムの導入の裏で、ひそかに廃車や廃線になる路線があったりして非常に心中複雑な季節でございます。昨日は国鉄時代から活躍していた415系がいなくなると聞いたので、常磐線ツアーに出掛けました。415系で上野→水戸まで行き、途中の直流・交流切り替え区間(いわゆるデッドセクション。一瞬電気が通らないので、室内灯が消えたり音が変化したり)を体感しました。水戸からは鹿島臨海鉄道・大洗鹿島線に乗り新鉾田(しんほこた)へ。鉾田まで歩き、今度は3月31日で廃線になる鹿島鉄道に乗りました。廃止が決定されている路線に乗るというのは、なんというか生前葬のようでどうも悲しいです。ずっと動いていたものがなくなる。でもまだ元気で動いている。不思議な気分で揺れました。しかし『最後までしっかり運ぶぞ』という気合を感じ、頼もしかった、かしてつ。終点・石岡からふたたび常磐線で土浦へ。3月18日まではグリーン車お試し期間(つまり無料)なので、どうせなら乗りたいなと思い、土浦始発の新型を待って、バック・トゥ・ザ・上野。10時30分に出発し、帰ってきたのが20時30分。10時間の旅。帰って寝たらば、かしてつを運転している夢を見ました」

『多様性』(3月15日)
「『現代社会を生きるということは、多様性を肯定することだ』と本に書いてありました。くだいて言えば、『世の中にはいろんな人がいる。それを知って認めよう』ってことだと思います。本当に世の中にはいろんな人がいる。それを知るには、楽屋は最高です」

『豆腐をくれた』(3月16日)
「両親が車でブーンとやってきて、『男前豆腐・マサヒロ』という豆腐をぼくに渡して颯爽と帰っていきました。大きな楕円形のパッケージにキリッとした男前の絵が書かれている豆腐。いったいどこで買ったのでしょう。でもよく見たらば賞味期限が明日まで。けっこう大きかったので、夜と朝、2回に分けて食べました。非常においしかったですが、親に男前豆腐(それもマサヒロ)をもらうというのも、なんというか変な気持ちです」

『ひとりロックフェスティバル』(3月17日)
「ソニーのスティック・ウォークマンをシャッフルしながら散歩します。何が掛かるかわからないけれどほとんど好きな歌ばかりなので、シャッフルされて曲が掛かるたびに『ウォー』とひとりロックフェスティバル。『その選曲できたか』と機械相手に興奮しています。たまにテンテンツクテンと小さん師匠の落語がきたりして。すごいメンバーのフェスですよ」

『シム』(3月18日)
「理想の町を作るべく、シムシティDSをやっています。最初は住民が『野球場を作れ』、『マリーナを作れ』とうるさいので全部聞いていたら破産しました。もう人の意見はいいと、次に鉄道路線ばかり引いていたら、やはり破産しました。よしかわ市長、うまくいかないので飽きつつあります」

『財布に入らぬ』(3月20日)
「PASMO、さっそく使っています。JRに乗るときにPASMOを使ったり、東京メトロでSuicaを使ったりしてコラボレーションを楽しんでいます。今年はJRが20周年ということで青春18きっぷも買いました(いつもよりちょっと安いです)。あさってからはロケで四国に行ってきます。四国で走っている『ことでん』のICカードはたしか『IruCa(イルカ)』でした。四国ではイルカも買ってこよう。ICカードばかり増えそうな春」

『いざ四国』(3月21日)
「明日からロケで四国へ行ってきます。竜馬のゆかりの地ということで、幕末ファン・長嶋さんのテンションが相当上がっていますが、残念ながらほぼ鉄道ロケです。待ってろよ、土讃線!」

『へんろへろ』(3月24日)
「四国から帰宅いたしました。朝から日暮れまで撮影をし、夜は酒を飲み、疲れて寝て、また朝起きました。四国は道が細くクネクネとしており、あまり乗り物酔いしないぼくもタクシーで何度か酔いました。酔いながらおぼろげに、『お遍路というやつぁはさぞかし大変なんだろうな』と薄まる脳で想像した四国の山道」

『夜の眠いこと』(3月26日)
「旅に出ると朝型になっていいですね。きっと持って2日くらいでしょうが」

『書体が街を作る』(3月27日)
「街の書体(フォント)を見てみると、その土地土地の個性が見えてくる気がします。東京ならばメトロのゴシック書体。あるいは都知事選のそれぞれのポスターの書体。広告の書体。店の看板の書体。昔よりは明らかに多様化していて、書体の進化が街の進化に繋がっている気さえしてきます。田舎の方へ行くと、ペンキで掛かれた手書きの看板があったりして、それはそれでナイスフォントです。でもたまにやけに恐ろしい書体の看板もあって、そんな看板を見るたびなぜか『鬼』とか『死』を思い浮かべてしまいます」

『日々の冒険』(3月28日)
「そばならとろろそば、パスタならペスカトーレ、マックならダブルチーズバーガー、お茶はジャスミン茶、アンプはVOX、水はクリスタルガイザー、ケーキはチーズケーキ。年を重ねるごとにこれなら=これとけっこう決まっていくので、それではつまらないとたまにえいやと冒険をしてみますが、たいてい外します。じじいになったら冒険の結果を踏まえて、好きなものを確定させたいです」

『セブン』(3月29日)
「MXテレビでウルトラセブンがやっているので見ていますが、たまらないです。セブンはウルトラシリーズの中でも特に湿気が高く、なんとなく暗く、兄弟の中でひとりだけ浮いていて、子供の頃から好きでした。大人になったいま見てもすごい回があります。ほとんどセブンが出てこなかったり、異様に悲しい話だったり。しかしウルトラ警備隊のコスチュームとポインター号はカッコいいです。いつか車を買うならポインター号が欲しい」

『息子が出来たら』(3月29日)
「車庫の近くに行って『見てご覧、あの赤帯のやつが8000系の未更新車だよ』、『珍しいぞ、デヤだ!』とちゃんと解説をしてあげよう。もちろん野球にも連れて行って、横浜ベイスターズの応援を一緒にしよう。ギターも5つくらいコードを教えて、あとは勝手に歌でも作ればいい。太宰治も読み聞かせて、人生の辛苦をしっかり教えよう。いや、太宰はやめよう。漱石にしよう。いや、最初はピーターパンにしよう。とたまに想像しますが、息子が出来る予定はありません。あくまで春の夢想です。暖かくなってくると、夢想が冴えます」



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