『晴れているのに部屋』(5月1日)
「昨日は正午から仕事で編集室にこもりっぱなし。途中に抜けてラジオを2時間。ここでもスタジオにこもりっぱなし。また編集室に戻って22時まで。外がホームランのように晴れていたので体がうずいた一日でした」

『夜は地図を見る』(5月2日)
「地図をつまみに酒を飲みます。『こんだけ要所を通ってたら国道16号線は渋滞するよな、おい』などとやっていますが、何も言わない地図。めちゃくちゃ情報が多いくせに何もしゃべらないところがいいですね」

『シャー』(5月3日)
「今日、陸海両用の電車を運転する夢を見る。海を走っているときは爽快でした」

『乱セ』(5月4日)
「横浜、3年ぶりの首位に歓喜。いつもならば負けている試合をことごとく勝っている今年の横浜。これから何波乱も起こるでしょうが、とにかく輪の中にいればチャンスありのご時勢。今期はまだあの二転三転が繰り返される横浜劇場に行っていないので早く行きたいです」

『錯覚散歩』(5月5日)
「はっとする。『いまが秋だとしたら?』。突然自分に錯覚を促し、いまが春だというのに秋だと思い込ませる。よく考えると春も秋も陽気が似ている。景色がだんだん秋に見えてきた。今年の夏を経験していないのに秋だと思うのは難しい。あのせつない感じがどうしても足りない。緑も多すぎる。けれど、夜が冷えることに寂しい感じを足せばだんだんと秋に見えてくる。もう秋だ。残すのは冬のみだ。今年もそろそろ終わりだ。もうすぐ誕生日だ。今年で30だ。二十代、私は何をやっただろう。三十代、私に何が出来るだろう。今年は雪が降るだろうか−。♪きっと君は来ない ひとりきりのクリスマス・イブ。あーん、サイレンナイ。こんな風にして錯覚を楽しみながら散歩するのが私の日課です。『はい、あなたはアメリカ人です』と突然浴びせると、日本の風景が多少違って見えます」

『よし、やるぞ。いや、やらないかもしれないぞ。でも、たぶんやるぞ』(5月7日)
「GWも終わり。といっても暦どおりに生活していないので、特に終わった感もなし。しかし今日歩いていたら街のムードがなんとなく『ふぅ終わっちまったか、またはじめるか』という精一杯起動する空気。ぼくはおじいちゃんのように空を見たら明日の天気がわかるようになりたいですし、街のムードにも過敏です」

『いざ北陸』(5月8日)
「明日から3日間、石川・富山を旅してまいります。旅といってもロケですが、家を離れるのだからやはり旅です。熊本から始まり、青森・北海道・四国・台湾と行脚してきました。新緑の北陸。どうぞ晴れますように」

『勝ち越し』(5月12日)
「北陸ロケから帰ってまいりました。雨男の件ですが、初日・はれ、2日目・豪雨、3日目・はれと2勝1敗で勝ち越しです。ぼくらにしては十分の成績でした。昨日はバタ寝。今日は早くに目が覚める。地方ロケ後の数日間はまともな時間帯で生活できるのですが、逆に何をしていいのかわかりません。外を見ると素晴らしい陽気なので、きっと何かを干します」

『原始をもう一度』(5月13日)
「ぼくはかなりの早食いですが、最近意識して遅食いを励行しています。早食いは生活にスピード感が出ますが、その分胃腸に負担が掛かります。たまに胃薬の世話になります。なのでよく噛むことにしました。高速噛みをすれば早食いのままいけるのでしょうが、そこまでスピード感もいらないので、最近は子供のようにモグモグとよく噛んで食べています。しかし難しいのは噛むことよりも箸の使い方。早食いは飲み込むのも早いですが、まず箸でものを一気に掴みすぎるのです。一回に多くを口に入れ、あまり噛まずに飲み、『ごっそさん』となるので胃薬です。なのでなるべく掴む量を減らし、少量を噛む。遅食いの真髄は箸使いなり。ただあまりに遅いと徐々に満腹感がやってくるので、やっぱり真髄は脳をだますことなり。脳はあまりだませないなり。なのでやっぱ箸使いなり」

『何冊も』(5月15日)
「読みたい小説が机に置かれています。どれから読むかね、と半ば睨むように見ていますが、見つめ続けて早2ヶ月。溜まる一方でなかなか読まず。ただ装丁を睨むだけの日々。装丁睨みは一体いつまで続くのか。読み始めたらどばっといくのでしょうが、いかんせん陽気がよすぎる。と天気のせいにしたりして。まだ5月。サマーソルジャーは早すぎる」

『鉄道と飛行機』(5月16日)
「完売劇場の雪竹Pは激しい飛行機マニアで、いつもぼくが鉄道の話をすると『それは飛行機で言えばね』と言い換えてきます。『それはこっちから言わせてもらうと』と完全に飛行機側の人間として発言してきて、たまに言い合いになります。雪竹さんはプロデューサーですが、たまにパイロットに見えてくるときさえあります。しかし最後は『お互い交通を担うものとしてがんばろう』という結論に至り、互いに尊重しあう仲です。二人ともただ趣味なだけなのですが」

『ピピピピッ』(5月17日)
「さっきから遠くで目覚まし時計が鳴っている。ずっと止まらずに鳴っている。寝ているのか、設定したのを忘れて外に出てしまったのか。小さな電子音が細かく続いている。なんとか震源地を食い止めて家に入って止めたいところですが、きっと罪になるのでしょう。早く起きてください。もう夜の9時です」

『応援歌』(5月18日)
「日本の野球は応援がうるさい、トランペットが鳴ってみんな歌ってけしからん、という声があるようですがぼくはあの雰囲気が好きです。球場に入るとき、視界が開けて緑が目に入りトランペットが鳴っている。あぁきたな、と思います。大洋ファンだったぼくは、いまでも当時の選手の歌を歌えます。昔はオリジナルソングがあまりなく、替え歌の形で歌われていました。屋敷はオブラディ・オブラダ。高橋雅はグリーン・グリーン。加藤博一は蒲田行進曲。7回、負けているときに歌う『勝利花』という歌が、ド演歌で非常に渋かったです。でもあまりに渋すぎて、たまに他の球団の応援がうらやましいこともありました。広島の交互立ち応援、中日の燃えろドラゴンズ、阪神の六甲おろしと、キャッチャーや控え選手が出たときの歌で叫ぶ、アイヤー。なぜあの歌では『アイヤー』と叫ぶのか。応援歌も歴史が出てきて、そろそろ紐解いてみたい時期です」

『登戸大変身』(5月20日)
「友が住んでいた、登戸。通学路でもあり、河原も近かったのでよく行きました。あまり綺麗な町ではありませんでしたが、少し泥臭いところも魅力で思い出深い町です。しかし昨日久々に行ったらば町が整備されていて、南武線と小田急線の連絡通路も新設されており、なんだかまぶしく見えました。いつの間に、と思いましたがもうすぐ私も30。町もどんどん綺麗になっていく。『妹よ』を口ずさみながら、『思い出のままある町など、あるもんか』と遠い目で南武線に乗りました。花嫁衣裳の妹を想像する兄の気持ちがわかった気がしましたが、きっと全然違うんだと思います」

『寝起き散文詩』(5月21日)
「夢日記はどうもつけられないので、最近は寝起きでいきなり詩を作っています。声に出して詠むこともあれば、文字通り殴り書くこともあります。今日の詩。『私は法外な阿呆だ。値などつけられない。値をつけるものあらば、そいつを高値で買おう。そしてそいつを安値で売って見せよう。さらばじゃ』。でした。謎が多いとされる夢を分析するよりかは心情が出ていて若干わかりやすい気がします。今日は上出来でしたが、ほとんどが『あー』とか『うー』なので、作品集を出すとすれば20年は掛かるでしょう」

『駅そば』(5月22日)
「そばが好き、鉄道も好き、となると=駅そばが好きとなります。中学生のころは祖師ヶ谷大蔵のホームにあった箱根そばに毎日のように通っていました。昔は箱根そばでも店によって多少味が違って、祖師ヶ谷大蔵の箱根そばが一番好きでした。いまよく行くのは渋谷駅の二葉。駅そばだというのにそばが本格的です。残念なのは店がホームにないことくらいです。一番美味しかったのは小淵沢で食べたそば。これぞという味でたまげました。越後湯沢も美味しかった。あぁこれを書いていたら食べたくなってきた。今日は中野でライブなので総武線ホームにある駅そばで、温かいとろろそばを食べるとします」

『よい日を想像しながら』(5月23日)
「書き仕事を終え、現在早朝5時。ピヨピヨ、と小鳥。ちゃぽんと目の前の池の鯉。何とかめどは立った。今日も晴れそうだ。眠ろう。起きたら500円の一日乗車券でも買って、都バスにでも乗りに行こう」

『在りかを示す』(5月23日)
「耳かきのチョイスは非常に難しいですね。最近、ネックが細く(ギターみたいだ)、白い丸いホワホワ(梵天でしたか)のついていない耳かきを使ってみたらば、とても繊細な力加減が必要で、リラックスのはずがぐったりしてしまいました。木が細すぎると耳をかいている実感があまりなく、軽いので、力を入れすぎると奥までかき過ぎてしまいます。しかし一番の問題は、白いホワホワがないと、耳かきがどこにあるのかわからないということです。ぼくはホワホワは使いませんが、あれが付いていないと『ここにあるよ!』という主張が一気になくなり、ただの細い棒に過ぎず、見失うのです。そうか、あれには役割以上の意味があったのかとホワホワの記号性に多少のヒントを感じ、白いアフロヘアーにしたらばものすごくいいのではないかと思いましたが、なんだか似合わない気がしたので寝ました」

『お誘い』(5月24日)
「6月の17日、六本木ヒルズ・テレビ朝日のumuにて完売劇場シークレットライブ、東京ダイナマイトさん、ホーム・チームさんとライブをやります。ぜひお誘いあわせの上おいで下さいませ」

『俺たちの明日』(5月25日)
「エレカシの新曲が着うたでダウンロードできると聞いたので、さっそくはじめてのダウンロード。小一時間悪戦苦闘し、サビの部分だけですが聞けました。『さぁがんばろうぜ!!』と力強い声で歌う久々の先生の新曲を、さっそくの目覚まし設定。今日の朝。設定していたことを忘れ、突然『さぁがんばろうぜ!!』と言われ起こされる。飛び起きるとはまさにこのことで、ものすごくびっくりしました。毎日これで起きるのはなんだか体に悪い気がするので電子音に戻します。早くフルサイズでゆっくり聞きたいです」

『実家』(5月27日)
「今日、弟と実家へ。弟『あのさ、ぼくの青いポロシャツ知らない?』、兄『えー、わかんない。青の?』、母『青それともブルー?』、弟『ブルーと青は一緒でしょ。あのさ、濃いめの』、母『横浜っぽいやつ?』、弟『横浜?』、兄『ベイスターズってこと?』、母『そうそう。ベイスターズみたいな青?』、弟『いや、なんていうの、兄ちゃんがいま履いてる紺色みたいなの』、母『それは紺でしょ!』、兄『紺だよー』、母『紺と青は違うわよぉ!それは紺だわよー』、父『おい、これそうじゃないか?』、弟『違う違う。胸にLAって書いてあるじゃん』、兄『それは着ないよねぇ』、父『じゃあこれお父さん着てもいいかい?』、弟『それ父さんのでしょ』、父『青いポロシャツなんてユニクロにいくらでも売ってるぞ』。弟『…うん』。結局弟のポロシャツは見つからず、代わりに父のLAポロシャツが見つかりました」

『蚊の一生』(5月28日)
「人の手で叩かれ死んでいく蚊は、蚊全体の何%くらいなんだろうか。あの死に方は蚊の中ではガンくらいに仕方のないことなのか。人にも叩かれず、蚊の一生を全うする蚊はどれくらいいるのだろう。でもこちらとしては血を吸われて痒いんだから、やはり叩いてしまう。腕に蚊が止まり、血を吸われるのをただみているのはつらい。『いいんだよ、いくらでもお吸いなさい』という寛容な態度を一度はしてみたいものですが、耳の横で『ブーン』という音がしただけで、『どこにいる!ぶっ叩いてやる!』という殺し屋みたいな思考になってしまい、ぶっ叩けなくてもベープをONにし、あとは奴の死を待つのみという王様みたいな面持ちでヒゲを指で伸ばし、蚊を見つけたら途端に手でバチン。成功者はたっぷりと血を。ダメだと手で叩かれる。たまに拳でさっと握られる。賭けの一生。でもたしか血を吸うのはメスだけだったはず。ということはただ蚊というだけで、とばっちりを受けるオスもいるのでしょうか。だとしたらなんとも厳しいですね。まぁどちらにせよ、こちらとしては痒くなるのが辛いのです。刺されたら疲労回復とかだったらあまり叩かれないでしょうに」

『くっついちゃってる』(5月29日)
「歯医者に行く。上の前歯二本が虫歯だったので、麻酔をかけ治療。終わったあとポワーン。前歯から鼻にかけて感覚なし。そのあと銀座を歩いたら、ショーウインドウに上唇が歯茎にくっついちゃっている自分を見た。なので今日はそそくさと家に帰りました」

『危険な賭け』(5月31日)
「足がつりそうになったとき、つる手前まで引っ張って、つる瞬間にぱっと元に戻すスリル。たまに失敗すると部屋をのた打ち回ることになりますが、たいていはこの賭けに勝っています。褒美は冷や汗です」



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