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巨大な影の夢

1996,11,15,Friday

僕らは森の中の細い獣道のような場所を歩いている。左手には川が流れていて、僕らは川下の方へ、海へ向かって歩いている。水分を含んだ、じめじめとした落ち葉が乗った地面には、見たこともないような種類の生き物がうようよいる。蛭のような体で、蛭よりもひとまわり大きく、体を反り返らせた反動で跳ねるように移動する生き物。彼らは人間と意思の疎通が行える。少なくとも僕には、その生き物の思考を読み取ることができる。その生き物は川に戻りたがっていて、僕らにその手助けをしてもらいたいと考えているようだ。そして、森の中を行くよりは川を進んだ方がいい、と僕らに訴えているように僕には感じられる。みんなにそのことを伝えて、僕らは川の方に移動し、ひとりひとりがその生き物をできるだけ抱えて川へ放してやる。川は浅く、水は冷たくない。しかし、だんだん深くなっていき、僕はやはり道を歩いた方がいいのではないかと不安になる。上空には異様に大きな翼を持った鳥が、僕らか、その生き物を捉えようと目を光らせている。川は実際には恐ろしく深いことに気付く。でも僕らは目に見えない透明の地面を歩くように、水中を歩くことができる。僕らの歩いているところよりも深い場所を、巨大な黒い影が過ぎて行く。これはさすがにやばいんじゃないかと僕は思う。そして、あの巨大な影は何なのかということを、さっきの生き物に聞いてみようとするが遅く、僕らの目の前にその巨大な黒い影の主が現れて、水面は一気に波立つ。友達の真下から、突き上げるようにその巨大な黒い影は水面から姿を現したので、友達は空中へと高く放り上げられる。

dream 1996,11,15,Friday
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