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猫を閉じこめる夢

1998,06,27,Saturday

ホテルとか学校の校舎のような建物に、これから五年間、猫を閉じ込めておく、という儀式のようなものがあり僕は呼ばれている。建物の周りにたくさんの関係者や見物人が集まってガヤガヤしている。金色の毛並みの美しい猫で、大きく、雌のライオンみたいに見えるそいつは、なかなか建物の中に収まろうとしないので、関係者は困っている。そういうときのために僕は呼ばれていて、僕は猫を操る言葉を知っているのだ。じゃあお願いします、と頭の禿げかかった理事長が僕に情けない顔をして言うので、僕の口座に振り込まれるギャラが相当なものであるとわかる。青い円筒形の壇上に立ち、猫を引き寄せて僕は言う。
「ワーと呼ばれるものよ、これからはコルネとして」
僕がそう言うとすぐに猫の身体に変化が現れ始める。毛がピンクになり、四本の脚は長く伸び始め、身体が高くなっていく勢いでコルネは建物に吸い込まれていく。狭い部屋に収まったコルネが飼育係の隣で窮屈そうにじっとしているのが遠くから見えて、僕は正しいことをしたのだろうかと考えてしまう。

dream 1998,06,27,Saturday
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巨大な古本屋の夢

1998,06,12,Friday

深夜も営業している大通り沿いの、巨大な古本屋に行く。外から見ると三階建ての建物だが店内はワンフロアで天井まで吹き抜けになっており、天井までの高さの本棚が壁を埋めつくして、上の方にある本はどうやって取ればいいのだろうと思う。十段ほどの階段があり、階段は店内を横断する橋へ至るのだが、とても上の方までは届かない。深夜なのにレジに人が並ぶほど賑わっている。僕はジェイムス・ジョイスのずっと探していた本を見つけて、立ち読みする。その本はどこから読み始めても最後には誰もが同じように理解できるように書かれていることで知られていて、僕は真ん中のあたりを開いて本当にそうなのか確かめたいと思いつつ読む。読んでいる右ページのストーリーを追いながら、ずっと左ページの『アルケー』という単語が視野の隅にあり、あとで意味を調べなくてはいけないと思う。

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