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雨の野音

2004,05,16,Sunday

昼、ナポリタンを作ってもらったので写真に撮る。雨の中、自転車でいつもとは違う駅へ。地下鉄の駅にはじめて自転車に乗って行ったので、どこに自転車を駐めればいいのだろう、と思いながら駅へ到着。駅の階段の周囲になんとなくみんな駐めているようだったので、それに倣って駐めることにする。三田線で日比谷へ。野音でピーズのライヴを聴くため。はじめて乗った三田線の車内で、隣に座った老人に始終話しかけられるというアクシデント発生。アクシデントというほどでもないが。いちばんはじめの方に老人がしゃべったはずの、会話のもっとも前提となる部分を聞き漏らしたため、意味が不明瞭な部分が多かったが、こちらの返答に対しての反応は、それがどのようなものであれ薄かったので適当な相づちを打つことに終始する。ぼくの推測では、その老人はどこかのダンス教室に通っていて今はその帰りである。ダンス教室には若い人たちが大勢おり、特に若い女性、しかも大学生が多い。自分は女性を顔で選ぶタイプではない。最近の若い女性はきれいな人が多いが、だからといってじろじろ見るわけにはいかないし、じろじろ見ていることがわかれば当然女性だっていい気持ちはしないだろう。あるいはその老人はどこかの予備校の名誉校長かなにかで、今日は生徒たちの前でガイダンスを行った。自分の努めるその予備校からは東大や早稲田や慶応にそれぞれ何人入学するのだ、ということの事細かなデータの披瀝。自分は法学部出身で、教師の資格も持っている。六法全書というものは、新しい版のものを使わなければ意味がない、自分はテストの時に古いものを使って大失敗をした、等々。だが、ぼくは頭からその老人は酔っぱらっている、と決めてかかっていたため、話を聞きながら「早く電車を降りてくれないかなあ」「どうしてはじめて乗った電車でこんな目に遭うんだろう」「もうほんとどうでもいい」とかしか思えず、途中で開き直って「どうやらこれはやり過ごすことができそうにないし長引きそうだ」「よし話を聴こう」と決意したときにはもうすでに話が致命的によくわからなくなっていたのだった。最初からちゃんと聴いておけばよかった……。

そんなこんなで日比谷で下車。日比谷駅周辺は、昔ここらへんで道に迷ったことがある、というような景色で、だからおそらく昔ここらへんでぼくは道に迷ったことがあるに違いない。「日比谷公園」といえば吉田修一の『パークライフ』なので、『パークライフ』っぽいような景色を探して歩いたが、雨が降っていたし、『パークライフ』の「日比谷公園」の描写もうろ覚えなので、さっさと会場を目指す。途中でなにか催し物が催されていた。アフリカ各国の物産展といった感じか。というわけで野音の前に到着。すかさずビールを買う。ビールを飲み終わるころKさんを発見。開演15分前なので会場に入ろうとしたところでKさん発見。あ、二人ともKさんですね。チェアマンはまだ来ないが先に入ることに。しばらくしてチェアマン来る。はじめから終わりまでしとしとと降り続ける雨の中でのライヴ。野音ははじめて来たが、一度くらいは雨の野音というものを経験したいと思っていないわけでもなかったので、よかったです。ピーズはあんまり聴いたことがなかったけど、もうそれが音楽でありさえすればわからないことなどなにひとつないし、わからなくったってかまわないくらいだし、そもそも音楽をわかるってどういうことかわからないくらいなので、音楽ってほんとすばらしいですね。なんだか隣にいる人たちと手をつなぎたくなるような感じでした。つなぎはしませんでしたが。さんざん悩みレインコートを買わなかったが、思ったよりも服は濡れていなかったのでよかったです。雨に濡れるとかなりの高確率で風邪を引くオレだが大丈夫だろうか。ライヴ終了後は居酒屋へ。飲むことに。然るべき時間になったので帰宅。指令通りカップヌードルを買って帰り、帰ってから食べた。

2004, 05, 16, Sunday

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