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ヴォルフガング・ティルマンス展

2004,10,23,Saturday

オペラシティのアートギャラリーにてヴォルフガング・ティルマンス展。ギャラリーや美術館というところは、作品を観ている人も作品の一部になってしまう、というところがすごくおもしろいとおもいます。写真をじっと観ている人も写真の一部であるように見えてくるんですね。特に大きな作品だったりするとなおさらです。そしてついには会場全体が作品であるような気がしてきます。特に会場がそれほどには混雑していなかったりするとなおさらです。今日はとてもいい感じの人出で、とてもいい感じに人々が作品化され、とてもいい感じでした。もちろんそこでは自分も作品の一部です。とてもいい感じに、かどうかはわかりませんが。それから建物全体が作品であるような気がしはじめ、美術館から外に出たあとも今度は都市全体が作品であるような気がしてくるわけです。ぼくはたぶん「やくざ映画」を見終わって映画館を出たら肩で風を切って歩くタイプです。写真展なんかに行くと、もう見るものすべてが写真であるように感じられてしまう。チューニングされやすい性質なんでしょうか。チューニングしやすいというか。

ただ途中、大きな地震が来て、すごく恐かったです。大の男が「大きな地震が来て、すごく恐かったです」なんて書くのもどうかとおもうけど。なんてまったくおもってなくて、ぼくは地震が恐いので書きますが、とにかく恐かったです。なんか変だ、なんだこれ、とおもっていたら揺れはじめて、地震だ、とおもい、けっこう長く揺れていました。地震が来るとかならず「地震だ!」とおもいますね。当たり前ですけど。「地震!」と声に出していってしまいます。わかりきっているのに。揺れがおさまったあとも壁やなんかが不吉にみしみし音を立てていて、しばらくのあいだ足もとがぐらぐら揺れているような感じがずっと続きました。オペラシティのエレベーターは停止し、エレベータホールには人が溢れ、どこかのレストランに届けるのか、透明なビニールに包まれた巨大な生肉の塊をぶら下げた人が呆然と立ちつくし、その光景はなんだか夢の中のように非現実的でした。

京王線で明大前を経由し下北沢へ。生まれてから一度も明大前なんか行ったことがなかったのに二日連続で来てしまい、なんだか不思議だなあとおもいました。みんなと合流して居酒屋へ。店の前にあったテレビで新潟・震度6だったということを知る。終電前に帰ろうということで店を出たけど、もう一軒行くということに決まりカラオケへ。吉川くんも合流し、朝まで。でも唄いたい歌をまったく選ばせてくれない曲指定カラオケで、変な感じでした。おもしろかったけど。朝になってもぜんぜん眠くなく、おでんと肉まんを買って帰り、そのまま今日は活動しようかとおもっていたけれどいつのまにか寝ていた。そんなことそのときはまったく意識していなかったけど、今日は大きな地震があったので、心のどこかでみんなで朝までいっしょにいたかったのかな、とちょっとおもいました。ちょっとだけ。

2004, 10, 23, Saturday

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