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煙草を吸っていたなんて(京都四日目)

2005,02,04,Friday

昼過ぎまで起きれなかった。身体がだるい。喉が痛い。シャワーを浴びて身支度を調え、部屋を軽く掃除し、借りていた合い鍵を使って玄関のドアの鍵をかけて、それをポストに入れたのはもう3時近かった。

バスに乗って京都駅に行くか、15分ほど歩いて西京極駅に行くか、部屋にいるときから迷っていたのだが、結局は歩いて西京極まで行った。外はあまりにも寒く、これはたぶん熱でもあるのだろう、と思う。ぼくはひとりだとあまりにも早足で歩くので、汗だくになり、それが冷えて風邪を引いたのだろうと思う。西京極まで歩くということは梅田に行くことを意味する選択肢だったのだけれど、とりあえず180円の切符を買い(梅田までは390円で河原町までが180円)、一瞬、立ち止まった末に大阪方面行きのホームへ上る階段を通りすぎ、ぼくが向かったのは河原町方面行きのホームだった。ぼくは歩いてみるまで自分がどうしたいのか、どこへ行きたいのかわからない、ということがよくあって、歩き出してみた結果が、西京極駅から河原町駅に行く、という変な選択肢だったのだ。つまりなんとなく風邪を引いたみたいだし、大阪という勝手のよくわからない街にこんな時間から行くのはもう億劫だし、適当に京都駅周辺で時間を潰してそれに飽きたら東京へ帰ればいいや、という気持ちになっていた、ということなのだと思う(ぼくは普段ひとりで行動しているときはいつでもそんな感じなのだけれど、なんとなく他の人たちはそうではないんじゃないかと想像しているのですが、そこのところどうなのでしょうか?)。

河原町行きの電車を待つホームで携帯にメールが届く。それはグリコからで、今日も会社を休んでいるのだという。だからそこでぼくの予定が自ずと決まることになった。彼女の身体の具合がそれほどまでに心配で、という訳でもないのだけれど、会社を休んでグリコが家にいるのならもう東京に帰ってもいいかなあぐらいには思い、5時くらいには京都を出発するくらいのつもりに頭を切り換えた。梅田には行かず河原町に行って(これはもうそうするつもりだったわけだけど)、そこから京都駅へ行っておみやげを買い新幹線の切符を買い、予定よりも早く(当初の予定では夜の11時頃に東京に着くつもりだった)、5時くらいには新幹線に乗る、というところまで、そのメールが届いたことによって決定した。それでもぼくはもう少し京都の街と京都の人たちを見ておきたいという曖昧な気分で、河原町のあたりをぶらぶらした後、京都駅まで歩くことにした。それはつまり河原町から烏丸まで歩き、四条通りを七条通りまで歩くことを意味していて、そんなことは熱っぽいと感じている人間のすることでは断じてなかった。どこかで地下鉄かバスに乗るべきだった。でもなにかがそうすることを拒否していて、途中から京都タワーと京都駅が見えはじめてしまい、見えているところに行くのにバスに乗るのはなんだか気が引けてしまったのだった。でもそれはずいぶんな距離で、京都駅にたどり着いたときにはすっかりくたびれ果てていた。昨日と同じ「京都拉麺小路」にある「宝屋」でラーメンを食べ、新幹線の切符を買い、おみやげを買って新幹線に乗り込んだものの、そこは喫煙車だった。かつて自分が煙草を吸っていたなんて信じられないほど煙草の煙に喉が痛くなり、むかむかしながら(自分が悪いんだけど)東京までぼんやりと窓の外を眺めて帰ったのでした。

2005, 02, 04, Friday

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