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ホテルの小火の夢

2013,06,10,Monday

ホテルに滞在している。夜、壁際におかれた巨大なベッドの上で、ぼくはくつろいでいる。

知り合いの知り合いといった感じのひとたちが部屋に複数いて、そのなかのひとりが、川原で水切りをするときのようなサイドスローでぼくのいるベッドの下に火のついたタバコを投げた。どうしてそんなことをするのかな、やっぱりあいつのことは好きじゃないな、という感じでその一部始終をみていると、ベッドの下をのぞき込んでいたべつのだれかが「向こう側で火がついてる」とさけぶ。

ぼくたちはみんなでベッドの下をのぞく。その空間の先が広い倉庫のようになっていて、コンクリート打ちっぱなしの床の上を這っているなにかのケーブルから火花がぱちぱちとあがっているのがみえた。だんだん煙もひどくなっていくし、倉庫のような空間はすぐに引火しそうなものであふれているので、こういうとき消防車を呼んだらいいのか、どこかに消火器があるはずだからそれをつかえばいいのか、というようなことをかんがえていると、その部屋にいるぜんいんのマネージャーのような立場の中年の女性が倉庫のような空間にどこからかあらわれて、消火器をつかって火を消し止めてくれた。あんなので火が消えるのかな、というくらい消化するための薬剤がちょぼちょぼとしか消火器からは出てこなかったけれど、とにかく火は消えてくれた。如雨露で植物に水をやるときのような印象。

中年女性はすぐにその空間を片づけはじめる。火事の証拠を隠滅するためになのか、倉庫のような空間を旅館風の和室に改装してしまう。ぼくがくつろいでいたベッドがおかれていた部分の壁はぶち抜かれて、その和室が地続きのとなりの部屋になる。真あたらしい畳の上で洋服をたたんでいる中年女性の正座した場所のちょうど真下あたりで、ついさっき火が燃えていたんだよなとぼくはおもう。

「もしあれだったらべつの部屋に移りますか」「そうですね」というようなやり取りのあとで、ぼくとその中年女性はホテルのべつの部屋に移動する。二人きりになってみると、その中年の女性は女性ではなくてゲイなのだとわかる。

奇妙な角度に3つのベッドがおかれたあたらしい部屋には巨大なピンク色の外国製の洗濯機があり、部屋を移るとすぐにゲイのひとは洗濯をはじめる。まずはじめに、洗濯機の脇にある排水口のようなちいさな穴に手を突っ込んでその部屋の水道の機能を復活させて、それからピンク色の洗濯機のスイッチを押した。まるでロボットのような音と動きで洗濯機が動きはじめるが、こんな洗濯機はじめてみるなあ、いったいどういう仕組なんだろう、とぼくはおもう。しばらくその動きを目で追い、どのような構造になっているのか理解しようとしたがまったくわからない。

少しうたた寝して目覚めると喉が渇いたので「水がのみたいんですけど」とぼくは話しかける。「ちょっとまってね」といってゲイのひとは洗濯機のスイッチを切った。さっきとは逆の順番に洗濯機が動いてから止まり、排水口のような穴に手を入れてなにかをすると、それで水道水が出るように切り替わったらしかった。

かれが洗面台の蛇口からコップに水をくんでいるところで部屋のインターホンが鳴り、その瞬間に「旦那かも…」と焦ったように口走ったゲイのひとは、いちど玄関の方へいくとすぐにぼくのところへ戻ってきて、耳元で「隠れて、隠れて」とささやくので、ぼくはあわててベッドの下にもぐる。部屋のなかに全身毛むくじゃらの黒い獣が侵入してきたことが気配でわかる。間一髪のところでベッドの下に転がり込んだのでぼくの姿はみられていないはずだが、もうすでに居場所がバレているのではないだろうかと不安で、ぼくはベッドの下で怯えている。

2013, 06, 10, Monday

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