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ショッピングモールの夢

2013,06,21,Friday

地域一帯に「怪獣警報」が発令されたため、ショッピングモールに閉じ込められている。郊外の大規模なショッピングモールは屋内退避している客たちでごった返している。日曜日の午後、空港のようなざわめき。

警報が解除されるのをぼくは待っていた。めったにこういう場所には来ないのにまったく運が悪い、とおもう。それにどうせ怪獣なんていつものように出てきやしないだろう、と高を括ってもいる。

どこかで女性の悲鳴が聞こえたとき、ぼくは2階の、山側のテラスに面したあたりの手すりにもたれて吹き抜けになっている1階を見下ろしていた。そのすぐあとで視界の右側から左方向に向かって、叫びながらたくさんのひとたちがパニックになって走り出しはじめるのがみえた。

1階フロアの奥まった場所にある荷物搬入用の倉庫へと続く金属製のシャッターがみるみるうちに熱で溶けて、その向こう側に巨大な鳥のような怪獣があらわれた。まず最初にシルエットだけがみえて、その向こうからゲストが登場するときのような印象で、巨大な鳥は二足歩行でゆっくりとショッピングモールのなかに侵入してきた。巨大な鳥はまわりにあるものを破壊しながらショッピングモール内を移動してゆく。ひとあしごとに地響きがして、あたりには砂埃が舞い上がる。大変なことが起こっているようでもあるが、みんなで鬼ごっこをしているような雰囲気でもある。

出入口はすべて封鎖されているので、ひとびとは目についた窓ガラスを割ってどんどん外へと逃げ出しはじめる。ぼくも割れた窓からテラスへと出て、そのまま山のなかに入り、頂上付近の博物館に行くことにした。前から行こうとおもっていたから、ちょうどいい機会だなという気軽な気持ち。

博物館では「ウルトラマンタロウ展」が開催されていて、チケットを買って中に入ると、偶然来ていた友だちと出くわす。
「やあやあ」
「来てたんだ」
(とここまで書いたところで「ウルトラマン 怪獣 鳥」で検索したら怪獣は間違いなく「バードン」で、なんとウルトラマンタロウに出てくるのだった!夢をみているときにも、これを書きはじめるときにもまったく気づいていなかったし、そんな怪獣のことなどすっかり忘れていたのだが……。)

友だちといっしょに順路にしたがって館内を見学していくが、すぐにはぐれてしまう。しかも「ウルトラマンタロウ」に関する展示物はほとんどない。学校のロビーに置いてあるような大きさの、グッピーのような小さな魚が泳いでいる水槽がいくつかあるだけですぐに飽きてしまったので、船窓のような丸い窓のある、博物館内のカフェでビールを飲むことにする。ちょっとした階段をのぼった先にある、分厚くて重い木製の扉を背中で押し開ける。

オープンカフェというかベランダのような場所の白い椅子に座ってビールを飲みながら、巨大な鳥の怪獣が街を破壊しているのを遠くから眺める。巨大な鳥はさっきショッピングモールに侵入してきたときよりも、はるかに巨大化している。遠くからだと、それはスローモーションで移動する太陽の塔みたいにみえる。破壊された場所はかさぶたのようになって、川のようにうねうねと巨大な鳥の足元へつながっている。

2013, 06, 21, Friday

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